2017 Fiscal Year Annual Research Report
Production of affinity silk materials for targeting to influenza virus
Project/Area Number |
15K07801
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
小島 桂 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (40370655)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / アフィニティーシルク / scFv / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】 本研究の目的は、インフルエンザウイルス粒子を認識して特異的に結合するシルク材料を作出することである。平成29年度の計画は、「組換えカイコの繭や液状絹からシルク水溶液を調製し、ELISAプレートを作製して定法に従ってインフルエンザウイルスの検出を試みる。バックグラウンドの低下や、検出感度の向上のために、プレート作製法や検出パラメーターを検討し、検査試薬として実用的なELISAプレートの調整法を確立する。」である。 【研究方法】 平成28年度までに作製・選抜した遺伝子組換えカイコを飼育し、繭(シルク)を生産し、これを臭化リチウム水溶液で溶解してシルク水溶液とし、ELISA法における補足抗体あるいは検出抗体として利用して、抗原であるインフルエンザウイルス粒子(を構成するタンパク質)の検出を行う。 【具体的成果】 精製抗原(H1N1-HA)を用いたELISAでは、アフィニティーシルクのサンドイッチELISAの補足抗体としての利用では当初はバックグラウンドが極めて高くまた感度も低く実用的ではなかった。そこで抗原を固定化しアフィニティーシルクを検出抗体として使用して検証したところ、バックグラウンドを抑えつつさらに高感度化も達成し、定量性を持って抗原を検出できた。一方、不活化したインフルエンザウイルス粒子を抗原とした場合では、通常のサンドイッチELISAの補足抗体としてアフィニティーシルクを利用することができた。以上により、インフルエンザウイルス粒子を認識するアフィニティーシルクは、ELISA用抗原(補足・検出とも)利用可能であることが示された。
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