• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Research-status Report

野生動物の生息空間としての農地周辺環境評価と環境管理による農業被害防除の可能性

Research Project

Project/Area Number 15K07822
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

揚妻 直樹  北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (60285690)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords野生動物 / 生息地 / 農業被害 / 被害防除 / 環境管理 / 土地利用 / 電気柵 / 農業経営
Outline of Annual Research Achievements

屋久島町・原区では農作物被害をもたらすシカ・サルの駆除を積極的には行ってこなかったが、それらの動物による農業被害が他の地区と比して少ない。そこで、その要因を明らかにするために、この地区を対象に農業被害および加害動物に関する調査を行った。農業被害を与えているシカ・サル・タヌキの地区内(山林含む)の生息分布を把握するために、柑橘類への被害が多く発生する12月から翌年2月にかけて、原区の協力のもと自動撮影カメラを51台設置した。また、この地区ではもっとも重大な被害をもたらすヒヨドリの生息分布を把握するために、ヒヨドリ被害が多く発生する2月に地区内40地点において定点調査を4回ずつ行った。これらの動物の生息分布については、これから詳細に解析する予定である。
地区内に設置している防獣柵(主に大規模電気柵)の設置状況や稼働状況を調査した。原区の役員や農家・住民から、最近の農業被害や加害動物の目撃に関する情報を聞き取った。また、鹿児島県庁から屋久島におけるシカおよびサルの地域別(5kmメッシュ)の捕獲・駆除数に関するデータの提供を受けた。
自動撮影カメラによる動物の撮影率(頭数/稼働日数)からは野生動物の相対的な生息密度は把握できるものの、実際の生息密度を把握することはできない。そこで、野生動物の生息密度が高く、様々な調査も実施しやすい自然林内において、複数の調査手法を用いて生息密度を調査すると同時に、自動撮影カメラでの調査も行った。この調査によってカメラ撮影率から動物の絶対的な生息密度(頭/k㎡)を推定できる可能性がある。
今後、地理情報システムを用いた分析を進められるように、原区および周辺地区の土地利用や植生に関するデータセットを整備した。
原区の対照区として調査に協力して頂ける地区を探した。これまで3つの地区の区長・役員の方たちと協議した。地区内の農家や住民に意向を諮って頂ける事になった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

原区における鳥獣の生息調査、農地や生息環境調査、農家に関する調査は予定通り実行できた。ただし、ヒヨドリに関しては、予定通りの調査を実施したものの、観察数は多く集まっていない。事前調査において農家に聞き取りをした際には、ヒヨドリは2年に1回の周期で多く飛来し、大きな被害を与えてきたとのことだった。しかし、2013年度、2014年度に実施したヒヨドリの予備調査結果と今回の2015年度の調査時の印象から、この3シーズン連続してヒヨドリの飛来が少なかったようである。野生動物を対象とした研究ではこうした事態はよく起きることなので予測の範囲内ではある。
本研究計画では農業被害が多く発生する12月から2月にかけて主にデータが収集される。そのため、収集したデータの分析は年度内において十分には行えていないが、これも予定通りである。また、原区の対照区を探すため、3つの地区の役員の方々に調査内容を説明し、協力の打診を行うこともできた。

Strategy for Future Research Activity

2015年度は渡ってくるヒヨドリが少なかったが、2016年度・2017年度と地道に調査を継続することで、分析に必要な情報量が集められると考えている。
収集したデータを用いて、原区における野生鳥獣の生息分布、被害分布、生息・農地環境の分析を始める。
一方、原区の対照区となる地区の選定が終わっていない。本調査の受け入れを検討して頂いている地区からは2016年5月頃に、本研究に関する調査が実施可能か返事を頂けることになっている。それに向けて農家・住民説明会の準備を行う。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] Impact of anthropogenic disturbance on the density and activity pattern of deer evaluated with respect to spatial scale-dependency2016

    • Author(s)
      Agetsuma Naoki, Koda Ryosuke, Tsujino Riyou, Agetsuma-Yanagihara Yoshimi
    • Journal Title

      Mammalian Biology

      Volume: 81 Pages: 130-137

    • DOI

      10.1016/j.mambio.2015.09.005

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] 屋久島西部地域におけるヤクシカ研究の発展性-長期調査&個体識別&行動観察-2015

    • Author(s)
      揚妻直樹・揚妻-柳原芳美
    • Organizer
      京都大学野生動物研究センター・共同利用研究会2015
    • Place of Presentation
      キャンパスプラザ京都(京都府・京都市)
    • Year and Date
      2015-10-17
    • Invited

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi