2015 Fiscal Year Research-status Report
屋上緑化の水循環機構の解明とランドスケープインフラへの展開
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15K07835
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Research Institution | Mount Fuji Research Institute, Yamanashi Prefectural Government |
Principal Investigator |
菊池 佐智子 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (50409471)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 環境緑化工学 / 環境政策 / 環境調和型都市基盤整備・建築 / 水文学 / 防災計画・環境計画 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランドスケープインフラの水循環機構を明らかにするため、1年目は、以下のに示す結果・成果を挙げることができた。1.(公社)土木学会の全国大会に参加し、土木分野における雨水管理の取組(技術)および研究の状況を調査した。また、河川、下水道分野におけるこれまでの洪水対策に向けた各種取り組みに関する資料を収集した。2.屋上緑化等については、(1)WGIC2015(世界屋上緑化会議名古屋大会2015)に参加し、各国の研究者・実務者との意見交換を行った。(2)会議の成果とあわせて、日本の屋上緑化の取り組み現状について、国内の専門誌だけではなく、海外の専門誌へも積極的に投稿した。(3)具体的な施工技術に関しては、国内で多くの施工事例を持ち、海外からの情報交換も積極的に実施しているJXDA(特定非営利活動法人日本ゼリスケープデザイン研究協会)の活動に参加し、施工技術の習得を始めた。3.アメリカ在住のランドスケープアーキテクトと協力して、先進的な取り組み事例として、ポートランド市(アメリカ)とトロント市(カナダ)に着目し、屋上緑化義務化条例や雨水管理制度を収集し、日本の類似施策との類似点、相違点を比較、分析した。その結果は、(公社)日本都市計画学会の都市計画報告集(NO.14、pp51-54)に報告した。4.実寸大(4m×4m)の屋上緑化施工区において、気象観測(温度、湿度、雨量、風向・風速)と芝生緑化の定点観測(写真撮影)を開始した。管理実態と気象、芝生芝草の成長を比較・分析することで、屋上緑化の水循環機構と植栽の生育の関係性について取りまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
過年度に計測したデータの分析が遅れている。 これは、最終年度に予定していた設計・施工技術に関する調査が早まったためである(実務者へのヒアリング、技術習得は難しいと思われたが、予想以上に簡単に見学の許可が下りたり、技術講習会への参加が認められたりしたため)。
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Strategy for Future Research Activity |
国内の学協会が発行する学術雑誌への投稿という目的を明確にし、データの解析に着手する。 データの一部は、既に解析済みの部分もあることから、重複した解析をしないよう留意するため、研究ノートを確認しながら、作業を進める。
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Causes of Carryover |
実務者との打ち合わせや知識享受の際に、謝金が不要となった。 データ解析が順調に進まず、計画していた学会誌等に投稿することが難しくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
空いている時間をできる限り、データ解析に回し、学協会誌等の学術誌に投稿するとともに、国内の事例調査を進める。
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Remarks |
研究成果の一部は、富士通アイ・ネットワークシステムズ株式会社の環境講演会、明治大学大学院ガバナンス研究科のUrban Management and Environment、緑の技法シンポジウムにて紹介した。
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