2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of the selenoprotein complex functioning epigenetic regulation
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15K07836
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣澤 瑞子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (60533982)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / セレノプロテイン / タンパク質複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、挑戦的萌芽研究「セレノプロテインによるエピジェネティック制御」により、セレン(Se)含有タンパク質の一種、セレノプロテインH (SelH)が、ES細胞において、特定遺伝子領域(標的)のDNAメチル化状況やヒストン修飾に影響を与えていることを発見した。抗酸化酵素としての作用のみが注目されてきたセレノプロテインが、エピジェネティック制御機能を有することを初めて示した。この成果に基づいて、本研究では、生化学的展開を試み、独自に作製された抗SelH特異抗体を用いて、SelH標的ゲノム領域における集積タンパク質群、すなわち、SelH含有エピジェネティック制御複合体の同定を試みる計画をした。抗SelH特異抗体を用いて、免疫沈降(IP)を行い、SelH標的ゲノム領域に集積しているタンパク質群(SelH複合体)の濃縮を行った。ES細胞から調整したクロマチン画分を抗SelH特異抗体に供することに加えて、さらに効率のよい濃縮をめざして、SelH強制発現細胞株より調整したクロマチン画分を用いたIPも行った。非特異的な沈降を完全に避けることは困難であるため、SelHノックダウン細胞株を、非特異的な沈降に対するネガティブコントロールとして用いた。また、申請者が確立したGSTをタグとして有するGST-SelH組換えタンパク質の発現系を用いて精製した組換えGST-SelHに対して、マウスES細胞より調整したクロマチン画分、あるいは、核画分を過剰に供し、組換えGST-SelHに結合するタンパク質群を回収した。以上の方法によって回収した濃縮画分がSelH含有エピジェネティック制御複合体構成タンパク質を含有しているものとして、SDS-PAGEによる分離を行い、複合体構成タンパク質の候補を複数獲得した。これまでにMALDI-TOF/MSによるタンパク質同定へ準備が整った状況である。
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Research Products
(9 results)