2015 Fiscal Year Research-status Report
病原タンパク質の除去を目指した基質・細胞内局在改変型ユビキチンリガーゼの開発
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15K07840
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
立松 健司 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00322743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 俊一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60263406)
藤井 郁雄 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70189984)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 病原タンパク質 / タンパク質分解 / ユビキチンシステム / ドラッグデリバリーシステム / 一細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
病原タンパク質を選択的に排除する改変型ユビキチンリガーゼのモデル実験系として、抗ヒト血清アルブミン(HSA)一本鎖抗体(Fv)とRBCK1の融合タンパク質Fv-RBCK1を大腸菌で発現精製して、in vitroにおいてHSAが特異的にユビキチン化されるかどうか検討した。まずFv-RBCK1を大腸菌において発現、精製した。次にin vitroにおいてHSAを基質としてユビキチン化実験を行ったが、HSAのユビキチン化が観察されなかった。 任意の病原タンパク質をターゲティングするユビキチンリガーゼの基質認識部位として、Protein Aの抗体結合ドメインを骨格にもち、一部のアミノ酸残基をランダマイズしたアフィボディ・ライブラリーを用いる。本年度は、アフィボディ・ライブラリーをT7ファージ表面に発現させた。今後、このライブラリーをスクリーニングし、ユビキチンリガーゼと融合する予定である。 改変型ユビキチンリガーゼを搭載し、任意の細胞及び臓器を標的とするDDSナノキャリアとして、B型肝炎ウィルスエンベロープに由来する抗体結合型バイオナノカプセルを使用する。本年度は、Lタンパク質、Gタンパク質の抗体結合部位をもつ新規のLL-BNCとLG-BNCと既存のZZ-BNCについて比較検討を行った。それぞれのBNCに抗EGFレセプター抗体を提示させたものを作製し、EGFレセプターを高発現するA431に添加したところ、LL-BNCが他のBNCに比べて高い導入効率を示した。今後、各BNC上での抗体の配向性と細胞取り込み効率の観点から、導入効率の違いの要因を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗ヒト血清アルブミン(HSA)一本鎖抗体(Fv)とRBCK1の融合タンパク質Fv-RBCK1を発現精製したが、in vitroにおいて期待されたHSAのユビキチン化が観察されなかった。改変型ユビキチンリガーゼの基質認識部位とバイオナノカプセルによる細胞特異的DDSキャリアの開発は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
Fv-RBCK1については、一本鎖抗体(Fv)とユビキチンリガーゼをつなぐリンカーの長さを複数検討し、最適なリンカーの長さを検討する。 また、モデル基質としてHSA以外のタンパク質の検討も開始する。具体的には、Fv以外の基質認識部位としてパピローマウィルス由来E7タンパク質に対するアフィボディのスクリーニングを一細胞分主装置により実施し、得られたアフィボディとユビキチンリガーゼRBCK1を融合する。 培養細胞を用いたex vivo実験を行いFv-RBCK1の特異的ユビキチン化能についても検証する。
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Causes of Carryover |
研究分担者のライブラリー遺伝子構築の実験費用としての物品費を想定していただが、今年度は、既存のライブラリーを用いたために費用が発生しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度においては、ライブラリー遺伝子の構築や精製で使用する予定である。
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Research Products
(2 results)