2015 Fiscal Year Research-status Report
構造化学的アプローチによる抗多剤耐性HIV薬の開発
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15K07898
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
角田 大 いわき明星大学, 薬学部, 准教授 (10347974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 薫 いわき明星大学, 薬学部, 研究員 (90382788)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | X線結晶構造解析 / HIV感染予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
HIVがヒト細胞へ感染することを阻止し、さらに薬剤耐性を発症しない作用機構を持った、新しいレクチン(アクチノヒビン:AHと命名)をより効果的な新しいHIV感染予防薬として改良するための構造基盤を確立することを目的に、X線結晶構造解析を進め、AHとHIV外套糖タンパク質との複合体の結晶解析に取り組んだ。 AHの立体構造は38個のアミノ酸残基から成る3つのセグメントが対照的に配置した環状の構造を形成しており、それぞれのセグメントには、糖鎖に結合するポケットがあることが明らかとなった。各ポケットには1個の高マンノース型糖鎖が結合するので、AHの3個のポケットには3個の高マンノース型糖鎖が同時に結合することになり、AHのHIVの外套タンパク質への結合はかなり特異的で、強いと考えられ、α-1,2マンノビオースとの複合体の結晶を調整することに成功し、さらにAHとα-1,2マンノビオースとの糖複合体の結晶構造を明らかにすることができた。 続いて、α-1,2マンノビオースにさらにマンノースが加わったマンノトリオースとの複合体の解析も進めた。しかし、三つの目のマンノースに関しては電子密度が不明瞭なため、その構造の確認には至っていない。現在は更に外套タンパク質gp120との複合体の結晶化を進めているが、タンパク質と糖タンパク質との混合により沈殿が生じており、解析に十分な結晶が得られていない。さらに、結晶化による構造解析に加え、ドッキングシミュレーションから結合に有利な糖の条件検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AHと糖鎖との結合様式を解明するために、AHと種々のマンノース糖鎖との複合体結晶の構造解析を行ってきた。複合体結晶の作成はその経験が豊富な研究分担者が行っているが、平成27年9月まで育児休業中であったため、予定より多少遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はAHと糖鎖、糖タンパク質との複合体結晶の作成を進め、X線結晶構造解析を利用しAHの立体構造を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究分担者の育児休業により、結晶化関連の消耗品の支出が当該年度にはなかったため、物品費に繰り越しが生じた。また、それに伴って一部学会発表を中止したため、旅費の支出がなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者の復帰に伴い、今後は予定された消耗品等の購入に充てる。
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