2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of nucleic acids carriers equipped with tumor microenvironment-sensitive peptides for the therapy of metastatic liver cancer
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15K07907
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
濱 進 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (60438041)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 腫瘍微小環境 / DDS / 腫瘍内透過 / 核酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、転移肝がんに対する革新的な治療法を開発するために、高い血管・組織透過性を示すだけでなく、腫瘍微弱低pH環境に鋭敏に応答し、がん細胞内へ効率的に核酸医薬を送達し最大限の機能を発揮する核酸キャリアーを開発することを目的としている。本キャリアー表面に搭載されたCTR-SAPSPは高い血管・組織透過性と腫瘍低pHに応答した細胞内取り込み促進効果を併せ持つことが期待されるペプチドである。これまでに、リポソームにCTR-SAPSPを修飾した場合(CTR-SAPSP-lipo)、オリジナルSAPSPを修飾した場合に比べて高い腫瘍内透過性を有するだけでなく、低pH下の細胞の細胞質までリポソームが送達されることを明らかにした。 平成29年度は、CTR-SAPSPの腫瘍内透過メカニズムを詳細に検討した。CTR-SAPSPは、SAPSPと同様にアクチン脱重合を介して、細胞―細胞間マトリックス経路を透過するだけでなく、CTRと同様にNeuropilin-1を介する経路も利用することで、腫瘍深部までリポソームを送達可能であることが示された。さらに、抗腫瘍核酸のanti-Kinesin family member11(KIF11) siRNA をCTR-SAPSP-lipo内に封入した核酸キャリアーを構築し、その機能性を評価した。Anti-KIF11 siRNA封入CTR-SAPSP-lipoは、低pH下の細胞特異的に細胞死を誘導したが、生理的pH下の細胞には影響を及ぼさなかった。これらの結果より、CTR-SAPSP-lipoに抗腫瘍核酸を封入することで、腫瘍深部のがん細胞を効果的に死滅可能であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)