2015 Fiscal Year Research-status Report
肝障害の診断と治療を目的としたレドックス感受性リポソームの開発
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15K07912
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
岡崎 祥子 崇城大学, 薬学部, 講師 (40435152)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | レドックス / in vivo ESR / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
In vivo 電子スピン共鳴(ESR)法は生体内酸化還元(レドックス)変化を非侵襲的に測定できるため、酸化ストレスが関与する様々な疾患のメカニズム解明に重要な技術である。本研究では、in vivo ESR法を用いた特定臓器におけるレドックス変化の非侵襲的な測定法の開発を目指している。従来のレドックス測定用プローブはマウスに投与後速やかに排泄されてしまうため、レドックス測定用プローブで修飾したリポソームを作成することでプローブの生体内半減期延長を目指し、さらにリポソームを肝臓に集積させるためにリポソームをガラクトースでも修飾する。 本年度は、リポソーム調製のために必要なリン脂質の合成を行った。これまでにレドックス測定用プローブとリン脂質を結合させたDMPE-PROXYLの合成には成功しているが、反応効率が悪かったため、反応条件の検討を行った。その結果、反応中に加温することで反応効率があがることが分かった。また、ガラクトース修飾によりリポソームを肝臓へ集積させるために必要なガラクトース結合リン脂質の合成を行った。Y. Xiaoらによる先行研究(Int. J. Nanomed., 2013)を参考にリン脂質に4つのガラクトースを結合させるため、リン脂質とスペーサーのDTPAを結合させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
合成した脂質を精製するのに必要なクロマト装置の選定に予定より時間がかかり、購入時期が遅れたため、当初の予定に比べて遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.本年度に引き続き、ガラクトース結合リン脂質の合成を行う。 2.合成されたガラクトース結合リン脂質を用いてリポソームを作成し、健常マウスにおけるリポソームの肝臓への集積性を検討する。 上記2つの実験と並行して、本年度合成したDMPE-PROXYLを用いて、レドックス測定用プローブで修飾したリポソームを調製し、血漿中でのリポソームの安定性や動物体内中での測定感度について検討する。
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Causes of Carryover |
合成過程において必要なクロマト装置の購入時期の遅延による研究の進捗の遅れと資金の節約により未使用の直接経費が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度にできなかった合成実験のための試薬や消耗品を購入する。 また、28年度に行う実験の消耗品や、研究成果発表のための旅費として使用する。
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Research Products
(2 results)