2016 Fiscal Year Research-status Report
組織標的性を持つ遺伝子導入ベクターとしての次世代バキュロウイルスの開発
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15K07926
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田村 隆彦 金沢大学, 薬学系, 助教 (00434035)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バキュロウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
補体成分によるバキュロウイルスの不活性化について前年度に引き続き検討を行った。補体成分との反応時間を検討したところ、5分でも十分な失活が認められ、不活性化は非常に短時間の血清曝露でも起こることが明らかになった。また補体の古典経路と第二経路のどちらが重要か検討したところ、第二経路が主な不活性経路であることが判明した。このことはほとんどのヒトの血清ではバキュロウイルスに対する抗体を保持していないにも関わらず補体反応によりウイルスが失活することと関連すると考えられる。ウィルス上に形成される膜侵襲複合体をELISAで検出し、補体反応後に有意に上昇することを確認した。
補体制御因子としてDAF分子を, CD46-DAF-CD59 fusion分子を検討した。これらの因子は古典経路も第二経路にも有効と考えられるものである。補体制御因子を発現するプラスミドを作製し、Sf9細胞にtrasfectionを行い、安定発現細胞を得た。細胞表面における目的タンパク質の発現をフローサイトメトリー解析で確認した。これら補体制御因子発現Sf9細胞にウイルスを感染させ、得られた精製ウイルスをさらなる実験に使用した。ウエスタンブロッティングアッセイでウイルスにおける補体制御因子の発現を確認した。DAF、あるいはfusionを発現するバキュロウイルスは発現していないコントロールウイルスと比較して膜侵襲複合体の形成が有意に抑制されていることを確認した。 var2CSAウイルスを作製し、ヒト絨毛癌細胞BeWo細胞での遺伝子導入効率の上昇を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Sf9細胞の安定発現細胞の調製が困難だったが、試行錯誤の上成功できた。
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Strategy for Future Research Activity |
補体制御因子発現Sf9細胞で、CSPウイルスやTRAPウイルスの作製を行うことで、補体制御因子を発現したCSP、TRAPウイルスを作製し、その遺伝子導入効率や補体抵抗性を評価する。
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Research Products
(3 results)