2015 Fiscal Year Research-status Report
IL-27/IL-35共通サブユニットEBI3による新しい蛋白質発現の制御機構
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15K07947
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
溝口 出 東京医科大学, 医学部, 助教 (00569527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | EBI3 / IL-23R / 腸炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナイーブCD4+T細胞を病原誘導性Th17分化条件下(IL-1β+IL-6+IL-23)で抗CD3/抗CD28刺激した3日後ウエスタンブロット解析より調べると、EBI3欠損CD4+T細胞ではIL-23R発現の顕著な低下が見られた。この時、プロテアソーム阻害剤(MG132)とリソソーム阻害剤(Pepstatin A+E64d)の効果を比べると、プロテアソーム阻害剤処理によりEBI3欠損CD4+T細胞でのIL-23R発現の低下がキャンセルされ、同様な効果はリソソーム阻害剤では見られず、両方処理するとさらに野生型CD4+T細胞よりIL-23R発現が増加した。これらの結果より、EBI3が欠損していると正しい高次構造を有するIL-23R蛋白質の合成が低下し、欠陥蛋白質が作られるとプロテアソーム分解系に送られ分解されるが、プロテアソーム阻害剤処理により欠陥蛋白質が分解されず蛋白質発現としては同程度まで回復したと考えられる。さらに、興味深いことにプロテアソーム阻害剤処理によりEBI3の分子量が若干短くなりTruncated EBI3が生成されることがわかった。また、293T細胞へIL-23RとIL-12β1、EBI3の発現ベクターを遺伝子導入し蛍光標識された市販の抗IL-23R抗体を用いて蛍光免疫染色解析を行うと、EBI3存在下では、細胞内のみならず細胞表面でのIL-23R発現が増強されることがわかった。以上の結果より、EBI3がサイトカインとしてではなく細胞内分子として、IL-23R蛋白質の高次構造形成を亢進させる新しい機能を有していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね予定通り進んでいると思われる。その中で、プロテアソーム阻害剤処理によりEBI3の分子量が若干短くなりTruncated EBI3が生成されることがわかった。これは、MG132処理による小胞体ストレスによりCaspaseが活性化されて切断された可能性が一番高いと考えられる。今後、野生型EBI3とtruncated EBI3の機能の違いが見い出せれば、興味深い。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) 再構成系でのEBI3によるIL-23R蛋白質の品質管理 HEK293T細胞では、内在性EBI3発現が見られないので、この細胞にIL-23RやIL-12Rβ1、EBI3、IL-23反応性の(GAS)3-Luciferaseを強制発現させ、プロテアーゼ阻害剤処理後IL-23刺激し、EBI3存在下・非存在下でルシフェラーゼ活性やSTAT3およびSTAT4のリン酸化を測定し、EBI3によるIL-23R発現の増強効果について再構成系を用いて検討する。 (2) EBI3による蛋白質の品質管理機構の特異性とその作用機序 我々は、予備的実験よりEBI3が結合する膜蛋白質としてgp130には結合するが、IL-12Rβ1には結合しないことも見出している。そこで、こられ2つの分子についても蛋白レベルでの発現の安定性を調べ特異性を明らかにし、その意義について検討する。その作用機序について、合成されたばかりの膜蛋白質や分泌蛋白質に結合し正しい高次構造形成を促進することが知られているカルネキシンの関与について検討する。 (3) MHCクラスIの抗原提示能への効果 EBI3欠損マウス由来DCを抗原提示細胞としてT細胞を刺激すると、IFN-γ産生が低下することも報告された(Dokmeci et al. Immunol. 132, 559-66, 2011)。そこで、野生型とEBI3欠損マウス骨髄由来DCをLPSと卵白アルブミン(OVA)で刺激した成熟化DCを抗原提示細胞として、OVA特異的CD8+T細胞受容体のOT-I Tgマウス由来のCD8+T細胞を刺激し、細胞増殖を3H-チミジンの取り込み、培養上清のサイトカイン産生量をELISA、抗原のクラスIへの提示を特異的テトラマーを用いたFACS解析により検討する。
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Causes of Carryover |
最終的に使用金額をぴったり合わすのが難しかったため、若干の余剰金が出たため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に,消耗品代に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Promotion of expansion and differentiation of hematopoietic stem cells by interleukin-27 into myeloid progenitors to control infection in emergency myelopoiesis.2016
Author(s)
Furusawa, J., Mizoguchi, I., Chiba, Y., Hisada, M., Kobayashi, F., Yoshida, H., Nakae, S., Tsuchida, A., Matsumoto, T., Ema, H., Mizuguchi, J., and Yoshimoto, T.
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Journal Title
PLoS Pathog.
Volume: 12 (3)
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Therapeutic potential of interleukin-27 against cancers in preclinical mouse models.2015
Author(s)
Mizoguchi, I., Chiba, Y., Furusawa, J., Xu, M., Tsunoda, R., Higuchi, K., and Yoshimoto,
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Journal Title
Oncoimmunology
Volume: 4(10)
Pages: e1042200
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Potential clinical application of interleukin-27 as an antitumor agent.2015
Author(s)
Yoshimoto, T., Chiba, Y., Furusawa, J., Xu, M., Tsunoda, R., Higuchi, K., and Mizoguchi, I.
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Journal Title
Cancer Sci.
Volume: 106(9)
Pages: 1103-1110
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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