2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K07954
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
中山 喜明 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (40512455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 守周 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00322165)
黒坂 光 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90186536)
加藤 啓子 京都産業大学, 総合生命科学部, 教授 (90252684)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖転移酵素 / 下垂体ホルモン / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / 視床下部 |
Outline of Annual Research Achievements |
成長ホルモンやプロラクチンなどの下垂体前葉ホルモンの分泌は、視床下部からの内分泌シグナルにより厳密に制御される。この視床下部による下垂体制御機構の解明は、下垂体前葉ホルモン分泌異常により発症する難治性疾患の成因解明や治療法の開発へと繋がるため、医学薬学的に重要な課題である。これまでに申請者は視床下部や海馬に発現する活性未知の糖転移酵素様遺伝子Galnt17の機能解析を通じて、Galnt17遺伝子欠損マウスが低成長ホルモン/高プロラクチン血症を呈することを見出してきた。そこで、本研究ではGalnt17の機能解析を通じて新たな視床下部-下垂体軸の制御機構の解明を目的としている。 本年度はGalnt17によるエネルギー代謝能への影響を評価するため、Galnt17遺伝子欠損マウスと全身でGalnt17を過剰に発現するGalnt17過剰発現マウスに対し、脂肪組織や肝臓、筋組織の組織重量測定や骨長測定などの身体測定、血糖値や血中ホルモンの測定などの生化学検査、摂食ケージを用いた概日リズムと摂食量の測定を行った。その結果、Galnt17遺伝子欠損マウスでは同腹の野生型マウスと比較して、血中プロラクチン濃度の上昇や血中のIGF-1の低下を伴う成長の遅延が確認されたのに対し、Galnt17過剰発現マウスでは、同腹の野生型マウスと比較して、いずれの検査項目についても大きな差は認められなかった。また、繁殖能についても上記のマウスを用いて解析を行ったところ、Galnt17雌マウスでは、出産後1週までに仔マウスの育児放棄などの異常がみられたのに対し、Galnt17過剰発現マウスでは野生型マウスと同等の生殖能を有していた。これらの結果は、Galnt17による視床下部-下垂体軸の調節機能は正常な下垂体機能に必須であるものの、補助的な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画作成当初は、平成27年度にはGalnt17KO, Tgマウスの基礎的解析と下垂体ホルモンの網羅的な解析をする予定であったが、マウス飼育施設の移行に伴い、解析サンプル数の不足が生じ、下垂体ホルモンの網羅的な解析について十分に進捗することができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27に未達成である下垂体ホルモンの網羅的な解析を行い、Galnt17により調節される下垂体ホルモンの同定を行う。引き続き、Galnt17KOマウスを用いて、ドーパミンシグナルを中心にGalnt17による視床下部-下垂体軸の調節機構の解明に取り組む。
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Causes of Carryover |
Galnt17Tgマウスの解析にあたり、染色体上のトランスジーン挿入位置の同定をする作業に、当初の計画よりも多くの時間が必要であったこと、また、マウス飼育施設の移行に伴い、解析サンプル数の不足が生じたことから、下垂体ホルモンの網羅的な解析について十分に進捗することが出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の研究計画のうち、計画通りに進捗できなかったGalnt17KO, Tg量遺伝しか異変マウスの下垂体ホルモン分泌量の網羅的な解析に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)