2017 Fiscal Year Annual Research Report
The molecular mechanisms underlying release and signaling of microparticle in the vascular diseases of diabetic states.
Project/Area Number |
15K07975
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
小林 恒雄 星薬科大学, 薬学部, 教授 (90339523)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / マイクロパーティクル / 血管内皮細胞 / 血管機能 / 血管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスからMPの抽出の報告はほとんど無いため、遺伝子改変動物への応用、種差、費用の面から、マウス由来 MPs を抽出し、実験を行った。マウスから動脈血を採血し MPs を作製したところ、ラットや培養細胞由来と同様のMPsの抽出に成功し、糖尿病(STZ) MPs 量は Cont MPs 量より有意に増加が認められた。このMPsを用いて内皮依存性弛緩反応を観察したところ、STZ MPs 処置群でのみ、wash outを行っても弛緩反応が減弱したままであった。MPs中に含まれるタンパク質を解析したところ、STZ MPs には Cont MPs よりも eNOS と ERK1/2 が多く含まれていることが観察され、これら MPs を処置した胸部大動脈においては、血管内ERK1/2 の活性増強ならびにeNOS 発現の減少が認められた。以上の結果から、糖尿病マウスのMPs は、質的変化を生じていると共に、血管内皮細胞機能障害を引き起こしてることが示唆された。また、平成27、28年度の研究成果においても、糖尿病ラット血小板由来MPを用いた実験、ヒト臍帯静脈内皮細胞にHigh glucose、Angiotensin IIを処置により産生される細胞外小胞において、これらのMP処置により血管内eNOS発現の低下、NO 産生の低下を引き起こすことが同様に観察されている。以上より、糖尿病時には、血液中のMPが増加し、更に糖尿病時に産生される血中MPs は、MP中に含むeNOS と ERK1/2 の増加という質的変化が生じていることが明らかになった。一方、このMPsは、血管内皮細胞に直接作用すると、血管内eNOS 発現を低下させ、NO 産生の低下、血管内皮機能の低下、血管内皮障害を引き起こすことが示唆された。
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