2017 Fiscal Year Annual Research Report
Basic, practical and pioneer research on the treatment of allergic diseases using antigen-specific monoclonal IgA
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15K07985
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
八巻 耕也 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (00351768)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | IgA / Immunosuppression |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスIgAで認められた生体内での免疫抑制、抗体産生抑制作用の機序について明らかにする目的で、最終年度は、マウスIgA(OA-4)が培養系でマウス脾臓 B 細胞の活性化を抑制するか解析した。その結果、BCR刺激による細胞内情報伝達分子であるERKのリン酸化がマウスIgAにより抑制されること、一方、BCR刺激による細胞内カルシウム濃度の上昇はマウスIgAにより抑制されないことが示唆された。また、IgAの免疫抑制作用の種差について解析するという目的の達成には、ヒトIgAがヒトB細胞の活性化を抑制するか明らかにする必要があった。そこで、ヒトIgA2の定常部とマウスIgA(OA-4)の可変部を結合させたキメラIgAの発現細胞株を構築した。 研究期間全体を通じて、マウスIgA(OA-4)がB細胞の活性化を直接抑制することによって、抗原に対する免疫応答を減弱させ、アレルギー発症を抑制することを明らかにした。また、マウスIgA(OA-4)が、マウスのみならずラットにおける免疫応答も抑制したことから、IgAの免疫抑制メカニズムは種を越えて保存されたものであることを示唆した。さらに、マウス、ラットで認められたIgAの免疫抑制作用がヒトにおいても認められるか解析するために、ヒトマウスキメラIgAの発現細胞を作製、その細胞から産生されるIgAの精製法を確立したことにより、そのキメラ抗体を実験に供することを可能とした。
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