2017 Fiscal Year Research-status Report
ケモメトリックプロファイリングに基づく和漢薬複合成分の解析
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15K07993
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
當銘 一文 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 准教授 (80563981)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 生薬 / 和漢薬 / LCMS / NMR |
Outline of Annual Research Achievements |
多数の成分からなる和漢薬は,各成分が複合的に作用し治療効果を示すと考えられる.しかしながら成分が複雑系であることから,その作用機構に関しては未解明な部分が多い. 本研究では,和漢薬の特徴である複合成分の包括的な理解をめざし,従来から行われているHPLC法に基づく成分プロファイリングとともにNMRを活用した成分プロファイリング法を新たに導入することにより,より精度の高い和漢薬成分のプロファイリングを実現し,薬理活性成分の効率的かつ迅速な同定や,和漢薬複合成分の正確な理解による高精度の品質管理に貢献することを目的としている. ボウフウについては,昨年度に確立した条件を用い,中国およびモンゴル産の試料についてプロファイリングを行い,30成分(17種のクロモン類および13種のクマリン類)を同定・推定した.このうち16成分について定量分析の標準品とするため,防風抽出物より単離精製を行った. 市場品コツサイホについては,成分プロファイルを行い同定したフラボノイド類について定量分析の標準品とするため化合物の分離を行い,5成分の単離精製を行った. これらの抽出物についてはNMRを用いたプロファイリングを,単離化合物についてはNMRによる定量法について鋭意検討を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
度重なるLCMSの不調が重なり,修理を要したため,実験が滞ることがたびたびあったが,LCMSを用いた成分プロファイリングおよび,成分の定量実験に使用する標準品のカラムクロマトグラフィーによる単離精製は順当に進行している.しかし,NMR法を用いたプロファイリングおよび定量NMRについては,鋭意検討中であるが,本年度に予定した分の解析は充分に進んではいない. そのため,研究期間の延長を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
NMRを用いた成分プロファイリングおよび,単離した成分のNMRによる定量実験を積極的に進め,計画を達成する. また,定量に必要な標準品については,未精製のものがあるので,これらの単離精製を行う.その後,定量NMRで純度測定を進める.また,これらの成分について,ボウフウ,コツサイホ抽出物中の含量についてHPLC法で定量を行う.
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Causes of Carryover |
一部研究に遅れが生じ,研究期間の延長を行ったため,未執行であった額を繰り越すこととした. 繰り越した分を消耗品,研究試薬などに充当し,効率的な研究ができるよう努める.
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Research Products
(17 results)