2015 Fiscal Year Research-status Report
トリテルペンを創薬テンプレートとしたデュアルメカニズムの抗HIV薬創製研究
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15K07998
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
柏田 良樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (30169429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 直伸 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 准教授 (40455598)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 抗HIV薬 / トリテルペン / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤耐性HIVに対しても効果のある抗HIVリードの探索を目的として,本研究グループがこれまでの研究により発見した強力な抗HIVトリテルペン誘導体に逆転写酵素分子であるAZTを縮合させた化合物合成とその活性評価を実施した。 これまでの研究で,betulinやbetulinic acidの3位にdimethyl succinyl, dimethyl glutaryl, glutaryl等を導入する化学的修飾が抗HIV活性を上昇させることが明らかになっている。特に3',3'-dimethylsuccinyl-betulinic acid (bevirimat)は,HIV成熟阻害作用を示すfirst-in-classの抗HIV化合物であり,AIDS治療薬としての臨床試験が実施された化合物である。一方,HIV逆転写酵素分子が容易に遊離されることを期待して、アミノ酸を構造中に含むリンカーをデザインし,本年度はまず,betulin誘導体の合成を行った。Betulinの3位にこれらジカルボン酸を導入後,28位に上記デザインのリンカーを介してHIV逆転写酵素阻害剤分子のAZTを導入した誘導体を合成した。 合成した化合物の抗HIV活性を評価したところ,bevirimatよりも強力な抗HIV活性を示す化合物が見出された。また,数種の化合物にbevirimatと同定度の抗HIV活性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,3位の各種エステルを有する3-O-acylbetulin誘導体を構造中にアミノ酸を含むリンカーを介してAZTと縮合させた化合物の合成を行った。 合成した化合物の抗HIV活性を評価したところ,bevirimatよりも強力な抗HIV活性を示す化合物が見出され,また,数種の化合物がbevirimatと同定度の抗HIV活性を示した点において,評価できる成果があげられていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度合成した誘導体に対応するbetulinic acid誘導体の合成を行い,トリテルペン部分の構造による活性の違いを検討する計画である。 また,AZTの異なる部分でトリテルペン分子と縮合した誘導体の設計と化合物合成を検討を進める計画である。
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Causes of Carryover |
本年度は,旅費として使用を予定していた予算の使用額に差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に物品費として使用し,円滑な研究遂行につとめる。
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