2015 Fiscal Year Research-status Report
高吸収クルクミンと組換えビフィズス菌とを用いた膵臓癌治療法の開発
Project/Area Number |
15K08000
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
平 裕一郎 帝京平成大学, 薬学部, 講師 (20581953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 功 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (00415556)
平 郁子 帝京平成大学, 薬学部, 講師 (60453693)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 抗腫瘍薬 / DDS / 嫌気性菌 / ビフィズス菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、NF-κBの抑制活性を持ち、膵臓癌の臨床試験において安全性が高く、予後も良いクルクミンの高吸収型製剤であるセラクルミンの経口投与と、TNF-αまたは抗TRAIL-R1アゴニスト一本鎖抗体分泌ビフィズス菌の静脈内投与を組み合わせることにより、新規な膵臓癌治療法の開発を目指すものである。 これまでに、膵臓癌細胞BxPC-3細胞でセラクルミンと抗TRAIL-R1アゴニスト一本鎖抗体とを併用した場合の抗腫瘍効果をin vivoで検討したところ、組換えビフィズス菌の投与30日後の抗腫瘍効果について、セラクルミン1日1回単独投与群の抗腫瘍効果と抗TRAIL-R1アゴニスト一本鎖抗体単独投与群の抗腫瘍効果の和が、セラクルミンとTRAIL-R1アゴニスト一本鎖抗体併用投与群の抗腫瘍効果の値と同一となり、併用により上乗せ効果が得られていた。 今年度は、膵臓癌細胞BxPC-3細胞で、セラクルミンの経口投与とTNF-α分泌ビフィズス菌静脈内投与を併用した場合の抗腫瘍効果をin vivoで検討したところ、TNF-α分泌ビフィズス菌単独投与群と比較して、セラクルミンの経口投与とTNF-α分泌ビフィズス菌の併用投与群は組換えビフィズス菌の投与4日で有意な抗腫瘍効果が見られたのに対して、TNF-α分泌ビフィズス菌単独投与群では組換えビフィズス菌の投与11日からでしか有意な抗腫瘍効果が見らず、セラクルミンの経口投与と抗腫瘍効果をもつ蛋白質を分泌するビフィズス菌の静脈内投与を併用することにより、迅速な抗腫瘍効果の発現が可能であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
セラクルミンの経口投与と抗腫瘍効果をもつ蛋白質を分泌するビフィズス菌の静脈内投与を併用することの有用性を示唆されるデータが取得できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
セラクルミンの経口投与と抗腫瘍効果をもつ蛋白質を分泌するビフィズス菌の静脈内投与を併用することの有用性を示唆されるデータが取得できたので、平成28年度は抗腫瘍効果をもつ蛋白質を分泌するビフィズス菌の実用化に向けたデータの取得に注力する。このデータの取得が完了したのちに、セラクルミンの経口投与による併用効果を検討し、実用化の成功確率の向上を狙うこととする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、本年度の補助事業は概ね予定通りに実施し、成果も得られたが、本年度の補助事業の実施にあたっての実際の支出額と交付された金額との差額が発生したからである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の「今後の研究の推進方策」に従い支出を行う予定であるが、旅費の予算については、一部の額を人件費・謝金に使用する可能性がある。
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