2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel functional molecules that selectively functions under disease-specific microenvironment
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15K08019
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平野 智也 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (20396980)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 蛍光 / バイオイメージング / pH / 粘性 / がん / 光分解性保護基 / 天然物 |
Outline of Annual Research Achievements |
特定の疾患状態にある組織を検出する手法は、診断、治療において重要となる。そのため濃度、活性が向上している蛋白質、遺伝子変異等のバイオマーカーを探索する研究がこれまで盛んに行われてきた。しかし、マーカーとして見出された分子種が疾患組織のみで発現していない場合があることや、検出を行うために酵素反応等が必要であることから瞬時に検出することが難しい等の問題があった。そこで本研究では、疾患組織特異的に起こるpH、粘性、温度等の環境変化に着目し、こうした変化を検出する新規蛍光センサーの開発を行った。 本年度においては、pHの変化に伴って蛍光がOFF-ON-OFFと変化することにより、特定のpH領域を検出する蛍光センサーを生理作用解析に適した機能を持つように改良した。具体的には、励起波長が630 nmという長波長励起が可能なセンサーの開発に成功した。長波長励起が可能な蛍光センサーは、生きた細胞、組織に適応した際、励起光による光毒性の低減や、生きた個体を用いた解析に応用できる等の利点を有している。また、こうした蛍光センサーの環境変化検出能を、光照射により共有結合が切断される光分解性保護基の機能制御に応用する研究を行った。その結果、蛍光センサーが強い蛍光を示す特定のpH領域選択的に、光照射による共有結合の切断反応が起こる分子団の開発に成功した。こうした分子は、疾患状態にある組織選択的に治療薬を作用させる分子システムに応用できる。さらに、こうした蛍光センサーのシーズとして天然物に着目した研究を行った。植物に由来する天然物から得た新規蛍光性天然物の誘導体の合成および蛍光特性の解析を進め、極性変化を蛍光波長の変化により検出する分子等を得ることに成功した。こうした分子は、タンパク質等の生体内分子の相互作用解析等に有用となる。
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Research Products
(29 results)