2015 Fiscal Year Research-status Report
リンパ管新生を阻害するビスアセチレンアルコール標的分子の探索
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15K08026
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮本 智文 九州大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40182050)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ビスアセチレン / トリスアセチレン / クリックケミストリー / 磁気ビーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はこれまでにビスアセチレンアルコールエナンチオマー2種とメソ体1種,及び11種の誘導体の他、炭素鎖長の異なるビスアセチレンアルコール(C16及びC24)を合成し,構造活性相関を解析した。調製した誘導体についてヒト子宮頸がん(HeLa)に対する増殖疎外活性を検討し、それぞれのIC50値を算出した。その結果、これまでの研究成果と併せ考え、標的探索用プローブを炭素鎖長24、分子両末端に”1-yn-3-ol” を有するビスアセチレンアルコールが最適構造と決定した。しかし、本化合物に購入したアジドビーズ(磁気ビーズ)をクリックケミストリーにより固定化した場合、分子片方のアセチレンがトリアゾールを生成し、標的タンパク質との親和性が消失することが懸念された。そこで、分子中に3個の”1-yn-3-ol”基を有する化合物をMacroModel(Schrodinger Suite社)を用い、構造最適化とコンフォメーション探索を行った。コア構造にトリメシン酸(1,3,5-benzenetricarboxylic acid)を用い、これにδ-valerolactoneから誘導したhept-6-yne-1,5-diolをエステル化したトリスアセチレンアルコールがビスアセチレンアルコール(C24)とほぼ同一のコンフォメーションを有することを確認した。 現在、hept-6-yne-1,5-diolとトリメシン酸のエステル化を検討している。また、トリメシン酸の代わりにグルタミン酸を用いても、同様のコンフォメーションを有することをMacroModelにより確認しており、アミノ基にNHS-ビーズを固定化することで、標的タンパク質のプローブを調製する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調であるが、トリカルボン酸の溶解性が低く、調製したアセチレンアルコール体のエステル化が難航してる。現在、カルボキシル基をより活性の高い酸クロライドに変換し、エステル化を行っている。 また、H27年度は多摩川精機が主催する磁気ビーズ講習会に参加し、リガンドのビーズへの固定化、リガンドー結合たんぱく質のアフィニティー精製、たんぱく質の溶出と電気泳動法について、技術取得した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はトリメシン酸をコアとするトリスアセチレンとグルタミン酸をコアとするアミノビスアセチレンを合成し、これらのHeLa細胞に対する増殖阻害活性を検討し、アジドビーズ及びNHS-ビーズへの固定化を経て、標的タンパク質のアフィニティー精製を行う予定である。
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