2015 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌の予後因子miR124-5pが染色体形成因子SMC4に及ぼす分子機序の解明
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15K08088
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柴山 良彦 北海道大学, 大学病院, 薬剤師 (90593822)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 大腸がん / 染色体 / コンデンシン / マイクロRNA / 遺伝子編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的: 染色体の形成、構造を維持する分子であるコンデンシンを構成する分子の1つ、SMC4が大腸がんにおいて発現が低い場合には予後不良であることを我々は報告した。本研究ではSMC4の機能を明らかにするため、CRISPR/Cas9ベクターを利用した遺伝子編集によりノックアウト細胞および発現亢進細胞の作製と、SMC4に関与するマイクロRNAの機能解析を行った。 方法及び結果: ヒト大腸がん細胞COLO201、WiDr細胞にCRISPR-Cas9ノックアウトプラスミドおよびHDRプラスミド(サンタクルズバイオテクノロジー社)を、また、Activation プラスミドをリポフェクション法によりトランスフェクションした。抗生物質により選別後、限界希釈法により100個程度の単一コロニーを作成した。GFP、RFPの発現を蛍光顕微鏡、ウエスタンブロッテイング法で確認したが、導入細胞は得られなかった。導入効率が極めて低いと考えられたため、HeLa、HEK293、A549細胞でも同様の実験を行ったが、遺伝子編集の効果は認められなかった。 SMC4の発現を抑制するmiR-124-5pの機能について、LRP1Bの発現に及ぼす影響について調べた。LRP1Bは癌の悪性度などに関与していることが報告されている。miR-124-5pを導入したとき、WiDr細胞において0.28倍に有意に抑制されることを見出し、報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRISPR/Cas9ベクターの培養細胞に対する、プラスミドのリポフェクション法では導入効率が極めて低いことがいくつか報告されている。トランスフェクション条件、複数の細胞を用いて検討を行ったが、我々の結果でも遺伝子改変を導入出来なかった。遺伝子編集だけでなく、siRNAを用いた評価系の作成も行っており、0.3倍に発現が低下することを認めている。
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Strategy for Future Research Activity |
リポフェクション法では遺伝子導入が極めて困難であるため、レンチウイルスベクター(シグマアルドリッチ社)を用いたCRISPR/Cas9の導入を目指す。同時にsiRNAでの機能解析を進める。
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Causes of Carryover |
初年度はリポフェクション法により遺伝子編集が可能か、いくつかの実験条件、複数種類の培養細胞で研究を2月まで行ったが、遺伝子導入効果は認められなかった。そのため、ウイルスベクター法による遺伝子編集の手法を2月末に計画し、28年度は本方法で研究を進める計画を立てた。本実験に用いる試薬等は3月上旬に発注したため、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
発注した試薬類は3月中に納入済みである。研究が行える状況であり、4月以降に開始する予定である。
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Research Products
(1 results)