2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cisplatin / caffeine combined chemotherapy for hepatocellular carcinoma.
Project/Area Number |
15K08102
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Research Institution | Daiichi University, College of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
有森 和彦 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (70253739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 隆夫 東京理科大学, 薬学部薬学科, 教授 (60262028)
河野 洋平 東京理科大学, 薬学部薬学科, 助教 (80779025)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | カフェイン / シスプラチン / 肝細胞がん / アポトーシス / DNA修復 / 細胞増殖抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝細胞がん(Hepatocellular carcinoma:HCC)細胞株を用いてカフェインによるシスプラチンの抗腫瘍効果の増強が細胞増殖抑制効果によるものか、アポトーシスの増大によるものかを検討した。また、カフェイン単独で引き起こされる細胞増殖抑制効果、シスプラチンの抗腫瘍効果の増大をもたらすカフェインの作用の分子機構について検討した。 その結果、HCC細胞株においてカフェインがシスプラチンの細胞増殖抑制効果を増強させることを明らかにした。また、カフェイン単独におけるアポトーシスの誘導作用は見られず、カフェインとシスプラチンを併用することでシスプラチンにより誘導されるアポトーシスを増加させることがHLF、LI-7、HuH-7の3つのHCC細胞株で明らかにした。さらに、正常肝細胞においては、カフェイン単独で若干の細胞増殖抑制効果が得られ、シスプラチンにカフェインを併用することにより、シスプラチンの細胞増殖抑制効果がさらに増強されることを示した。また、正常肝細胞においては、カフェイン単独におけるアポトーシスの誘導作用は見られず、カフェインによるシスプラチンにより誘導されるアポトーシスの増大作用を示さなかった。以上のことから、カフェインは正常肝細胞に影響を与えずHCC細胞株に対し特異的に効果を示すと考えられた。また、カフェイン単独で得られる細胞増殖抑制効果は、アポトーシスを誘導することなく細胞周期においてG0/G1期に細胞が留まる事で細胞増殖抑制効果を示すことを明らかにした。 カフェインがシスプラチンの抗腫瘍効果を増強する機序として以下のことを明らかにした。 1.シスプラチンによるDNA損傷に対し、DNA修復を行う時間を与えずに細胞周期を進行させアポトーシスを起こす。 2.Akt、p70S6Kの活性が低下することでアポトーシスの抑制機構が機能しにくい環境をもたらす。
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Research Products
(3 results)