2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of visible-light responsive photocatalysts for degradation of anti-cancer agents
Project/Area Number |
15K08120
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
甲谷 繁 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (00242529)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮部 豪人 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (10289035)
森山 雅弘 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (90601740)
川島 祥 兵庫医療大学, 薬学部, 助教 (60775724)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 酸化チタン / メソポーラスシリカ / 光触媒 / 抗がん剤 / 分解 / 吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年問題となっている抗がん剤の暴露による二次的な健康被害に対して、我々は酸化チタン(TiO2)の光触媒反応を用いて抗がん剤を分解することに着目した。これまでは、TiO2の光触媒活性の評価を、生成したOHラジカルとクマリンの反応により行ってきたが、抗がん剤の分解がTiO2光触媒反応によって起こるのかは不明であった。そこで最終年度は、メトトレキサートやフルオロウラシルなどの実際に使用されている抗がん剤の分解を目指して、それらの構造類似物質の光触媒による分解挙動を検討した。構造類似物質として葉酸とウラシルを使用し、TiO2への光照射による濃度変化をHPLCにて測定することで評価した。その結果、これら抗がん剤類似化合物はTiO2により効率よく光触媒分解することが明らかとなった。特に、葉酸の分解は早く、中間生成物の分解も観測した。このことから、TiO2はメトトレキサートやフルオロウラシルの抗がん剤分解に対して有効であることが示唆された。 一方、これまでは抗癌剤の分解を目指し、多孔質材料であるメソポーラスシリカ(mSiO2)に光触媒材料であるTiO2と金属ナノ粒子を担持させることで、有機物の分解能を評価してきた。最終年度は、逆の発想からTiO2をmSiO2で被覆することで、有機物の吸着や光分解の向上を目指した。その結果、TiO2をmSiO2で被覆した新しいタイプの光触媒材料の開発に成功した。各種構造評価よりmSiO2によるTiO2の被覆とmSiO2の細孔構造の形成を確認した。この材料は、mSiO2の被覆後も光触媒活性を示すことがわかった。吸着能と分解能の高い試料を用いて、メチレンブルー(有機色素)の吸着・分解を検討したところ、メチレンブルーが急速に吸着し、光触媒により分解されていることがわかった。従って、この新しい光触媒材料は抗がん剤を効率的に吸着し分解する能力が有すると期待される。
|
Research Products
(4 results)