2016 Fiscal Year Research-status Report
大規模レセプト情報を用いた多剤併用のリスク評価:ふらつきを及ぼす薬による骨折発症
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15K08121
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
飯原 なおみ 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (40412390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 知司 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (80220656)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多剤併用 / ポリファーマシー / 高齢者 / 転倒 / 骨折 / 副作用 / レセプトデータ / 薬剤疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢者における医薬品多剤併用(ポリファーマシー)の副作用発現に及ぼす影響を評価するために、ふらつきを及ぼす薬の併用と骨折発症との関連性を大規模レセプト情報を用いて解析する。 28年度は次の2つの成果を得た。第一に、27年度に取り組んだ、ナショナルレセプトデータベース・サンプリングデータセットを用いた横断研究の論文が冊子体に掲載された(Polypharmacy of medications and fall-related fractures in older people in Japan: a comparison between driving-prohibited and driving-cautioned medications. J Clin Pharm Ther, 2016, 41, 273-278)。第二に、大規模データ解析可能な環境を構築した。 冊子体に掲載された、時間軸をもたない横断研究の研究結果を検証するために、28年度は、時間軸をもつ縦断研究に取り組む予定であった。ところが、入手した縦断研究用データに不備があることがわかり、データ再抽出となったため、28年度は解析にほとんど取り組めなかった。 しかしながら、縦断研究用データのデータ規模が予想以上に大きいこと、及び、従来使用いていたアプリケーションでは動作しないことを確認したため、データ編集、解析のために新たなアプリケーションを導入することとし、新たなアプリケーション導入下で大規模データ解析可能な環境を構築した。 このように解析自体は当初計画より遅れることとなったが、大規模データ解析可能な環境を構築できたことが28年度の大きな産物である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」欄で触れたように、データ再抽出となったため解析は進んでおらず、予定よりも進捗状況は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
再抽出後のデータを入手しており、また、大規模データ解析可能な環境を構築したことから、精力的に解析に取り組む。解析結果がすみやかに得られるよう、データ整理を行う人員を雇用するなどの対応を図る。
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Causes of Carryover |
「研究実績の概要」等欄に記載したように、データ再抽出となり、解析は進んでおらず、見込んでいた経費の多くを28年度は使用せずに終わった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の遅れを取り戻すために、次年度使用額は、データ整理を行う人員の雇用費、新たに導入したアプリケーション展開経費などに使用する予定である。
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