2015 Fiscal Year Research-status Report
グローバル臨床分離株ライブラリー構築を主軸としたHIV Env多様性対策研究
Project/Area Number |
15K08125
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
原田 恵嘉 国立感染症研究所, その他部局等, 主任研究官 (30508643)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | HIV / AIDS / 抗HIV阻害剤 / 抗HIV療法 / 耐性誘導 / 臨床分離株 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究課題「グローバル臨床分離株ライブラリー構築を主軸としたHIV Env多様性対策研究」に対して、4つの研究計画、(i)グローバル臨床分離ウイルスライブラリー・データベースの確立、および(ii)「共通性」、(iii)「画一化」、(iv)「阻害剤組み合わせ」による各Env多様性対策研究を、各々開始した。(i)に関しては、各臨床株の分離を進めているが、特にベトナムコホートに関しては共同実験者との計2回の打ち合わせにより、未治療で長期未発症者(長期非進行者)の検体に関しても解析を行える予定となった。今後得られる、これら「グローバル臨床分離ウイルスライブラリー」に対する(ii)「共通性」、(iii)「画一化」、(iv)「阻害剤組み合わせ」から成る多様性対策研究の基軸となる「抗HIV阻害剤」に関しては、侵入阻害剤を中心に当初の予定より大幅に増加して、約500種類の化合物ライブラリーの構築を進めることが出来た(Chem Med Chem 2016, Bioorg Med Chem Lett 2015)。また、(iii)「多様性からの画一化」としては一部の臨床分離株に対してCCR5阻害剤およびトリテルペン誘導体を中心にin vitro耐性誘導を進めることが出来た(Jpn J Infect Dis, 2015)。他方、(ii)「共通性」および(iv)「阻害剤の組み合わせ」を効率的に行うための新規アッセイ系も、年度内に確立することが出来た(J Virol Methods, 2016)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を推進するための4つの研究計画、(i)グローバル臨床分離ウイルスライブラリー・データベースの確立、および(ii)「共通性」、(iii)「画一化」、(iv)「阻害剤組み合わせ」による各Env多様性対策研究に関しては、「本年度の研究実施計画」および上記「研究実績の概要」で示した通り、順調に進行している。特に(ii)「共通性」、(iii)「画一化」、(iv)「阻害剤組み合わせ」の各多様性対策研究において、基軸となる阻害剤ライブラリーの構築、新規測定系の樹立、およびin vitro耐性誘導解析に関しては、当初の予定以上に進んでおり、それらの成果の一部は学術雑誌に報告することも出来た(J Virol Methods, 2016, Chem Med Chem 2016, Bioorg Med Chem Lett 2015, Jpn J Infect Dis, 2015)。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画でも示したが、「グローバル臨床分離ウイルスライブラリー・データベース」の構築を、平成28年度以降も継続して行う。同時に、平成28年度以降は本格的に三つの「Env多様性」に対する対策研究(共通性・画一化・阻害剤組み合わせ)を開始する。特に「画一化」で行うin vitro耐性誘導は、既に一部を進めているが、1パッセージに7日程要すること、かつ、各臨床分離株において耐性獲得速度に差が生じることが予想されることから、研究期間内を通じて行う予定である。最終的には、「グローバル臨床分離ウイルスライブラリー・データベース」の構築を起点に、三つの「Env多様性」対策研究(共通性・画一化・阻害剤組み合わせ)から、各観点におけるEnv多様性対策スコアの高い化合物を同定し、新規治療法および新規抗体誘導法等の開発に導くことを目指す。
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Causes of Carryover |
推進方策においても示したが、次年度は、使用するグローバル臨床分離株および抗HIV剤の数を増やし、三つの「Env多様性」に対する対策研究(共通性・画一化・阻害剤組み合わせ)を多元的に行っていく予定であり、本年度よりも消耗品の使用の増加が予想されたため、本年度の研究費の一部を次年度に使用することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
三つの「Env多様性」に対する対策研究(共通性・画一化・阻害剤組み合わせ)に使用する。内訳としては殆どが消耗品費の予定である。
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[Journal Article] A minimally cytotoxic CD4 mimic as an HIV entry inhibitor.2016
Author(s)
Takaaki Mizuguchi, Shigeyoshi Harada, Tomoyuki Miura, Nami Ohashi, Tetsuo Narumi, Hiromi Mori, Yu Irahara, Yuko Yamada, Wataru Nomura, Shuzo Matsushita, Kazuhisa Yoshimura, Hirokazu Tamamura
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Journal Title
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters
Volume: 26(2)
Pages: 397-400
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Fibrocytes differ from macrophages but can be infected with HIV-1.2015
Author(s)
M. Hashimoto, H. Nasser, F. Bhuyan, N. Kuse, Y. Satou, S. Harada, K. Yoshimura, J. Sakuragi, K. Monde, Y. Maeda, S. Welbourn, K. Strebel, E.W.A. El-Wahab, M. Miyazaki , S. Hattori, N. Chutiwitoonchai, M. Hiyoshi, S. Oka, M. Takiguchi, S. Suzu.
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Journal Title
The Journal of Immunology
Volume: 195
Pages: 4341-4350
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Detection of potency and breadth of HIV-1 neutralizing antibodies in macaque-tropic HIV-1 infected cynomolgus monkeys using novel test panel viruses2015
Author(s)
Shigeyoshi Harada, Akatsuki Saito, Takeshi Yoshida, Yohei Seki, Yuji Watanabe, Yasumasa Iwatani, Yasuhiro Yasutomi, Tomoyuki Miura, Tetsuro Matano, Hirofumi Akari, Kazuhisa Yoshimura
Organizer
33rd Annual Symposium on Nonhuman Primate Models for AIDS
Place of Presentation
Monterey, CA, U.S.A.
Year and Date
2015-10-13 – 2015-10-16
Int'l Joint Research
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