2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K08131
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
福島 菜奈恵 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (90334888)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経再生 / 髄鞘形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの実験で確立した中枢神経再生モデルを利用して、損傷後に再生する神経線維の髄鞘化を誘導する実験を行った。まず、麻酔した生後2日の新生児ラットの左外側嗅索を、手術用顕微鏡下で鋭利に切断した。外側嗅索が完全に切断されていることを確認するため、逆行性の神経トレーサーであるFB(Fast Blue)を、切断部より後方の嗅皮質へ注入した(1%, 0.1μl)。外側嗅索は脳内の嗅覚伝導路で、これまでの実験から、新生児期に切断されても自然再生が起こることを報告している。手術後は母ラットの元に戻し生育させ、生後5日から生後20日まで毎日1回、アセチル-L-カルニチン(100 mg/kg)を腹腔内に投与した。同量の生理食塩水を投与したラットをコントロール群とした。生後30日目に灌流固定し、脳を採取した。嗅球から作成した矢状断の凍結切片(50μm厚で150μm間隔)を蛍光顕微鏡で観察し、外側嗅索の不完全切断例を除外した。不完全切断例では、切断直後に注入したFBが残存する神経線維に取り込まれ、逆行性に運ばれ、嗅球内にFB陽性の僧帽細胞が観察された。嗅球内にFB陽性僧帽細胞が観察されない動物を完全切断例とした。完全切断例において、嗅皮質を含む残りの脳から前額断の凍結切片(50μm厚で300μm間隔)を作成し、抗MBP(Myelin basic protein)抗体を用いた免疫染色を行い、外側嗅索内の神経線維の髄鞘を検出した。また、一部の切片から外側嗅索を含む部位を切り出し、超薄切片を作成後、電子顕微鏡で観察した。MBP染色切片の観察および電子顕微鏡観察の結果、アセチル-L-カルニチン投与群における外側嗅索内の再生神経線維の髄鞘形成が増加している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた中枢神経再生モデルラットの作成および薬剤投与に関する実験方法が確立し、さらにアセチル-L-カルニチンによる再生線維の髄鞘化誘導が確認された。光学顕微鏡下および電子顕微鏡下での観察をもとに、髄鞘形成の増加を定量的に計測する段階に入っている。そのため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
外側嗅索切断ラットにアセチル-L-カルニチンを投与し、脳を採取する。アセチル-L-カルニチンによる有髄線維の増加を定量的に評価するため、MBP免疫染色切片の解析(陽性部位の面積・密度の計測)および電子顕微鏡写真の解析(有髄線維数・髄鞘の厚さの計測)を行う。
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Research Products
(1 results)