2016 Fiscal Year Research-status Report
自閉症モデルラット脳における神経伝達物質異常の定量的・形態学的解析
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15K08133
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
成田 正明 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80302404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 みちる (伊田みちる) 三重大学, 医学系研究科, 助教 (80393148)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 疾患モデル動物 / 形態学的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症モデルラットを用い、脳内の神経伝達物質の異常を定量的・形態学的に解析する。研究代表者はこれまで、妊娠ラットにサリドマイドを投与する方法で自閉症モデルラットを作成し、セロトニン神経系の異常について報告してきた。本研究ではドーパミン、ノルアドレナリンの異常を明らかにする。さらに選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤投与下でのノルアドレナリン動態を解析する。自閉症モデルラット脳でセロトニンに加えてドーパミン、ノルアドレナリン異常を明らかにすることで、自閉症の行動異常の神経生物学的基盤を解明する。 ヒト妊婦が妊娠中のある特定の時期(ヒトで妊娠20-24日)にサリドマイドを内服すると、児に手足の奇形は起きないが自閉症が高率に発症する、という事象を、妊娠ラットで忠実に再現した方法である (ヒト妊娠20-24日はラットでは妊娠9日に相当)。具体的には妊娠9日目の妊娠ラットにサリドマイド(500mg/kg)を内服させ妊娠を継続させ、胎仔ラットまたは生まれた仔ラットを用いる。 3年計画のうち初年度、及び2年目は、自閉症モデルラット脳及び正常ラット脳各部位におけるドーパミン・ノルアドレナリンの、発達に伴う発現推移の比較(定量的及び免疫組織化学的手法で)を明らかにしてきた。 具体的には、発達に伴う発現推移の比較(定量的及び免疫組織化学的手法で)、即ち脳各部位及び発達に伴うドーパミン、ノルアドレナリン含量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定するとともに、形態学的にもチロシンハイドロキシラーゼ染色(ドーパミン検出)、ドーパミンベータハイドロキシラーゼ染色(ノルアドレナリン検出)を行った。現在再検中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調と言える。発達に伴う発現推移の比較(定量的及び免疫組織化学的手法で)、即ち脳各部位及び発達に伴うドーパミン、ノルアドレナリン含量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定するとともに、形態学的にもチロシンハイドロキシラーゼ染色(ドーパミン検出)、ドーパミンベータハイドロキシラーゼ染色(ノルアドレナリン検出)を行った。現在再検中である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、発達に伴う発現推移の比較(定量的及び免疫組織化学的手法で)、即ち脳各部位及び発達に伴うドーパミン、ノルアドレナリン含量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定するとともに、形態学的にもチロシンハイドロキシラーゼ染色(ドーパミン検出)、ドーパミンベータハイドロキシラーゼ染色(ノルアドレナリン検出)を再度検討、統計処理を行う。並行して、胎生期の神経分化誘導因子の発現比較(whole mount in situ hybridizationで)、脳幹ノルアドレナリン神経起始核(=青斑核)からの神経軸索投射パターンの把握、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)投与下でのノルアドレナリン変動なども明らかにし、成果報告を行いたい。
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Causes of Carryover |
ラットを用いてのモノアミン定量、免疫組織学実験において、使用する試薬やラットの必要数が当初の計画よりも少なく済んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度に行うモノアミン定量、免疫組織学実験に使用する予定である。
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