2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of neurotransmitters in the brain of autism model rat
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15K08133
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
成田 正明 三重大学, 医学系研究科, 教授 (80302404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 みちる (伊田みちる) 三重大学, 医学系研究科, 助教 (80393148)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自閉症モデルラット |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症は、対人関係の障害・コミュニケーションの障害・こだわりなどを特徴とする先天的な脳発達障害である。原因は不明であり、解剖学的な異常、即ち脳の形態の異常は見出されていない。一方、神経生物学的には、こだわり、対人関係の障害、同一性の保持などの行動上の特徴から、脳内の神経伝達物質セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンの異常が指摘されてきた。これまでの研究で研究代表者らは、自閉症モデルラット脳でのセロトニン神経系の異常について報告してきた。今回の研究ではドーパミン、ノルアドレナリン解析を試みた。自閉症モデルラットは従来通りの方法で作成した。即ち妊娠9日目の妊娠ラットにサリドマイド(500mg/kg)を内服させ、胎仔、または生まれた仔ラット(生後50日)を用いた。研究代表者らの自閉症モデルラット作成は国内外でも多く引用されている (Drug Discovery Today, 2; 93: 2005, Neuroscience 142 ; 267: 2006, Neurosci Res, 57; 289: 2007)。妊娠9日目を選んだのは、ヒトでのサリドマイドによる自閉症はヒト受精20-24日目=ラット妊娠9日目=に内服した妊婦にのみ発症し、これを再現した自閉症モデルラットではやはり妊娠9日目に投与した群でのみ、脳海馬セロトニンが上昇していたためである。またサリドマイドの投与量は既報に基づく量を用いた。コントロールとして、溶媒(5%アラビアゴム)のみ同様に内服させた妊娠ラットからの胎仔、または生まれた仔ラットを用いる。3年目の最終年度は1年目2年目の追試験を行い、自閉症モデル動物では広く神経伝達物質の異常が存在する可能性があることが示唆されたが、最終的な結論を得るためにはさらに追試験を実施している。確定的データが得られた段階で学会発表、論文報告を行う。
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