2017 Fiscal Year Annual Research Report
Contribution of neuronal stem cells in the subventricular zone to sulcogyrogenesis in the ferret cerebral cortex
Project/Area Number |
15K08144
|
Research Institution | Tsukuba International University |
Principal Investigator |
澤田 和彦 つくば国際大学, 医療保健学部, 教授(移行) (10284324)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 美和 (堀内美和) 茨城キリスト教大学, 看護学部, 准教授 (90381714)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 大脳皮質 / 脳室下帯 / 神経幹細胞 / basal radial glia / フェレット / 脳溝 / 脳回 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脳溝・脳回を有するフェレットを用いて、発生過程の大脳皮質において一時的に出現する脳室下帯(SVZ)神経幹細胞の脳回形成への寄与を明らかにすること目的とした。 脳回形成が最も盛んになる5~7日齢にバルプロ酸(VPA; 200 mg/g体重)を投与した雄フェレット仔について投与直後(7日齢)および20日齢に脳を摘出した。VPA投与直前に新生する細胞を標識するため、投与の2時間前にEdUを投与し、更にVPA投与後に新生する細胞を標識するためVPAの最終投与時にBrdUを投与した。取り出した脳から高分解能7-tesla MRI装置を用いてT1強調MR画像を取得した。 MR画像をもとに形態計測を行った結果、20日齢においては大脳半球の前頭後頭極長は2群間で差はなかったが、尾側半での半球幅がVPA投与群で有意に小さかった。大脳皮質の脳溝形成頻度(global-GI)は、VPA投与群で有意に小さく、これは内側面および前頭領域の脳溝のsulcal GI低値に起因していた。皮質厚は、VPA投与群において前頭前領域の前S字回で有意に大きかった。また、VPA投与群では板状溝や上溝吻側部の底部の皮質も厚く、これらはVPA投与群においてsulcal GIが小さい溝と一致した。 免疫蛍光多重染色による解析では、20日齢においてEdU/BrdU二重標識ニューロンは皮質上層に多くみられ、その密度は前頭領域や側頭領域に比べて前頭前領域、頭頂後頭領域、帯状領域など系統発生的に新しい皮質領域で高かった。 以上よりフェレットでは神経新生後期のVPA投与によって前頭前領域でおよび前頭領域で皮質が厚くなることで折り畳みが(脳回の形成)が甘くなることが明らかになった。また、前頭前領域における脳回形成には神経新生後期に神経幹細胞(basal RG)の自己複製によって産生したニューロンが関与する可能性が示唆された。
|