2017 Fiscal Year Annual Research Report
Physiological role of mitochondrial tRNA modification
Project/Area Number |
15K08178
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
魏 范研 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (90555773)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / RNA修飾 / エネルギー代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は以前、2型糖尿病の危険因子であるCdkal1はtRNAを化学修飾することでたんぱく質翻訳に重要であることを明らかにした。Cdk5rap1はCdkal1の唯一のホモログであるが、その機能が不明であったため、本研究はCdk5rap1の生理機能解明を目的として行われた。その結果、下記のことを明らかにした。①Cdk5rap1はミトコンドリアDNAによってコードされる22種類のtRNAのうち、tRNA(Trp), tRNA(Tyr), tRNA(Phe), tRNA(SerUCN)の37位に存在するi6Aにチオメチル化修飾を加える酵素である。②Cdk5rap1欠損マウスを作製し解析を行ったところ、ミトコンドリアでのたんぱく質翻訳が低下した。③Cdkal1欠損マウスの骨格筋や心筋のエネルギー代謝が低下した。また、心筋におけるカルシウムの動態が異常になり、心筋の収縮力が低下した。④ミトコンドリア病患者由来の検体を検討したところ、Cdk5rap1によるチオメチル修飾がミトコンドリア患者で低下した。これらのことから、Cdk5rap1によるミトコンドリアtRNAのチオメチル化修飾は、ミトコンドリアにおける効率的な翻訳に必要であることが明らかになった。また、ミトコンドリア患者では、酸化ストレスによるチオメチル化修飾の二次的な低下が疾患の進行を誘発する可能性があることから、Cdk5rap1がミトコンドリア病の新規治療標的となりうることが示唆された。
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[Journal Article] Cysteinyl-tRNA synthetase governs cysteine polysulfidation and mitochondrial bioenergetics.2017
Author(s)
Akaike T, Ida T, Wei FY, Nishida M, Kumagai Y, Alam MM, Ihara H, Sawa T, Matsunaga T, Kasamatsu S, Nishimura A, Morita M, Tomizawa K, Nishimura A, Watanabe S, Inaba K, Shima H, Tanuma N, Jung M, Fujii S, Watanabe Y, Ohmuraya M, Nagy P, Feelisch M, Fukuto JM, Motohashi H.
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Journal Title
Nat Commun.
Volume: 8
Pages: 1177
DOI
Peer Reviewed
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