2015 Fiscal Year Research-status Report
社会性行動に関与するオキシトシンのCAPS依存的分泌制御機構の解明
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15K08192
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
篠田 陽 東京理科大学, 理工学部, 助教 (80403096)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | オキシトシン / CAPS1 / CAPS2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CAPSタンパク質がオキシトシン(OXT)の分泌に寄与するかどうかを明らかにすることを目指している。27年度はマウスの血中および脳下垂体におけるOXT濃度の測定を行い、CAPS2 KOマウス血中のOXTレベルが野生型マウスに比べて減少していること、また脳下垂体中のOXTレベルが野生型に比べて増加していることを明らかにした。さらに、CAPS1 KOの影響を観察する目的で、CAPS1 flox マウスとOXT-Creマウスを交配してOXTニューロン特異的にCAPS1をノックアウトしたCAPS1 cKO (OXT)マウスを作成し、現在血液および脳下垂体サンプルを収集しているところである。また、免疫組織化学によって全OXTニューロン中どの程度の細胞にCAPS1が発現しているかを調べたところ、およそ20%のOXTニューロンがCAPS1を発現していることを明らかにした。CAPS2の発現率は現在調査中である。また、CAPS依存的OXT分泌と社会性行動について明らかにする目的で、光遺伝学的手法を用いた行動解析を行うため、OXT-Creマウスにアデノ随伴ウイルスを用いてチャネルロドプシンを導入し、OXTニューロン特異的にチャネルロドプシンを発現させることに成功した。今後は本手法をCAPS1 cKO (OXT)マウスおよびCAPS2 KO-OXT-Creマウスに適用し、行動解析中に光刺激によってOXT分泌を起こす事で、CAPSタンパク質依存的なOXT分泌とそれによって制御される社会行動について明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定であったCAPS1およびCAPS2 KOマウスにおける血中、脳下垂体でのオキシトシン(OXT)濃度の測定はおおむね完了し、未測定のものについては現在サンプルを増やしているところである。また、免疫組織化学によって少なくともCAPS1について全OXTニューロンのうちどの程度のニューロンに発現しているかを明らかにしたことは、当初の計画にはなかったが、今後の展開を考察する上で非常に重要な知見となった。CAPS2がどの程度のOXTニューロンに発現しているかは現在調査中であるが、定性的な結果とはいえ、CAPS1発現細胞とは異なる細胞に多く発現している傾向にあるため、CAPS1が制御しているOXTニューロンと、CAPS2が制御しているOXTニューロンとが存在すると考えている。光遺伝学的手法をもちいたCAPSが制御するOXT分泌と社会性行動の関係性についての解析課題については、ステレオタキシスを用いた脳部位定位によるアデノウイルス注入技術やその後の麻酔回復、飼育後のチャネルロドプシン発現の定性的解析といった一連の手技について確立することができた。OXTニューロンが存在する室傍核と視索上核はそれぞれ異なる領域であり、室傍核に至っては脳の前後軸に沿って長く領域しているため、どの部分にチャネルロドプシンを発現させ、OXT分泌を光制御すべきかという点について課題は残るが、これについても定位技術に習熟したため、解析をわけることは可能であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、CAPS1, CAPS2 KOマウスにおける血中および脳下垂体のOXT濃度測定に加え、脳の各領域におけるOXTレベルの測定、さらにはOXT受容体の量や分布の解析も併せておこなって行く予定である。また、免疫組織化学を用いて、OXTニューロンのどの程度がCAPS1およびCAPS2が発現しているか、量的解析に加えて空間的な解析も行う予定である。視索上核に対して室傍核の方でより分布の差異があるように思われるため、室傍核におけるOXT分泌制御の役割分担等について興味深い知見が得られるものと期待している。OXTニューロン特異的なチャネルロドプシン発現及び光刺激による社会性行動への影響、およびそれに寄与するCAPS1、CAPS2についての解析は重要な課題であり、次年度の最も推進すべき研究だと認識している。既に行動解析装置についての設置状況は良好であり、マウスの準備ができれば行動解析が行える状況になっている。どのような社会性行動を行うかについて、現時点ではオープンフィールドにおける自由行動下の社会性相互作用行動、1方のマウスを檻に入れた状態での社会性探索行動、3チャンバーを用いた社会性選択行動と社会性認知行動といった解析を行う予定である。さらに、上記行動を雄マウスだけで行うのではなく、雌マウスも対象として行う事で、オキシトシンと雌雄の行動およびこれに影響を与えるCAPSタンパク質とその分布を明らかに出来ると考えている。
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Causes of Carryover |
初年度は既存の実験設備および消耗品でほぼ対応可能であったため、初年度の使用予定額を下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度の分と合算して少しまとまった金額となったため、高額の研究備品購入(顕微鏡用CMOSカメラ導入を検討)を予定している。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] A rubber tail task in CAPS2 KO mice: an initial study2015
Author(s)
Makoto Wada, Masakazu Ide, Kaori Yagishita, Momoko Katakai, Yo Shinoda, Teiichi Furuichi, Kenji Kansaku
Organizer
75th Annual Meeting of the Japanese Society for Animal Psychology
Place of Presentation
Japan Women’s University (Tokyo, Japan)
Year and Date
2015-09-10 – 2015-09-12
Int'l Joint Research
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