2015 Fiscal Year Annual Research Report
プロラクチン産生細胞の増殖に関するエストロジェン感受性を決定する分子の同定
Project/Area Number |
15K08205
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
有田 順 山梨大学, 総合研究部, 教授 (80128587)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エストロジェン / 下垂体前葉 / プロラクチン産生細胞 / 増殖 / 系統差 |
Outline of Annual Research Achievements |
エストロジェン高感受性であるWistar系(W)ラットとエストロジェン非感受性であるWistar-Kyto系(WKY)ラットの間における、エストロジェンの下垂体プロラクチン産生細胞に対する増殖抑制作用と促進作用の違いをin vivo及びin vitroで調べた。 (1)両系統の卵巣摘出ラットに放出持続型エストロジェン製剤であるestradiol valerate (EV)を皮下投与し、投与3週間後の下垂体前葉重量および5-bromo-2'-deoxyridine (BrdU)投与後のプロラクチン産生細胞標識率による増殖率を測定した。WラットではEVによって下垂体重量が約4倍に増加したのに対し、WKYラットでは1.2倍の増加に留まった。プロラクチン産生細胞のBrdU標識率はWラットではEVによって約13倍に増加したのに対し、WKYラットでは1.4倍しか増加しなかった。 (2)EV投与3週間後にラットから下垂体前葉を採取し、プロラクチン産生細胞を無血清初代培養に用い、プロラクチン産生細胞の増殖に対するエストロジェンの作用と、これに対するICI72および28時間投与の効果を調べた。Wラットのプロラクチン細胞の増殖はestradiol存在下におけるICI投与92時間後では著明に低下し、28時間後では変化がなかった。一方、WKYラットのプロラクチン細胞の増殖はestradiol存在下におけるICI投与92時間後では変化せず、28時間後では著明に増加した。 以上の結果より、Wラットにおいてはプロラクチン産生細胞に対するエストロジェンの増殖促進作用が優勢であり、WKYラットにおいてはエストロジェンの増殖抑制作用が優勢であることが明らかとなり、これらの変化がエストロジェン感受性を決定していることが示唆された。
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