2015 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮におけるdihydrofolate reductaseの役割の解明
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15K08238
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
野口 克彦 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70156181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 正人 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70309962)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | テトラヒドロビオプテリン / ジヒドロ葉酸還元酵素 / 一酸化窒素 / 遺伝子導入マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
1.血管内皮細胞特異的ジヒドロ葉酸還元酵素(Dhfr)遺伝子欠損マウスの作製と表現型の解析:Dhfr 遺伝子flox マウスと内皮特異的Cre-recombinase (Cre) 発現マウス(VE-cadherin-Cre)を交配することにより、内皮特異的Dhfr 欠損マウスを作製した。2ラインのDhfr 遺伝子flox マウスで、DNA genotypingによりCreの存在とDhfr遺伝子の欠損を確認できたマウスを得た。これらのマウスにはともに外見上の明らかな異常はみられなかった。また、体重、飲水量、尿量、摂餌量、血糖、血漿総コレステロール、血漿中性脂肪、およびテールカフ法で測定した血圧と心拍数のいずれにも野生型マウスに比べ有意の差はみられなかった。 2.時期及び内皮特異的Dhfr遺伝子欠損マウスの作製:Dhfr 遺伝子flox マウスとtamoxifen 誘発内皮特異的Cre発現マウス(Tek-cre/ERT2)を交配することにより、時期及び内皮特異的Dhfr 欠損マウスを作製した。2ラインのDhfr 遺伝子flox マウスで、DNA genotypingによりCreの存在とDhfrfl/fl遺伝子を確認できたマウスを得た。 3.内皮特異的ヒトDHFR遺伝子導入マウスの作製:DHFR cDNAをtie2プロモーター下流に導入することにより発現ベクターを作製した。発現ベクターから調製したトランスジーンをC57BL/6マウスの前核期受精卵にインジェクションし、受容雌マウスに移植した。このマウスから得られた産子のうち、10匹でトランスジーンが検出されファウンダー(F0)マウスとした。F0マウスと野生型マウスの自然交配で得られた産仔のうち体組織にトランスジーンが検出された3ラインのマウスをF1マウスとした。さらに、これらのF1マウスを用いてそれぞれのF2マウスを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度では、2種類のDhfrコンディショナルノックアウトマウスとDHFR過剰発現マウスを作製した。これら3種類の遺伝子改変動物のうち、内皮特異的Dhfr遺伝子欠損マウスで表現型の探索を行った。これまでのところ著明な異常は見出されていないが、今後、酸化ストレスを伴う病態モデルを用いた検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、DHFR発現量・活性の程度やテトラヒドロビオプテリン(BH4)含量・ジヒドロビオプテリン(BH2)含量の評価、および病態モデルでの検討を実施する。その際に、これら遺伝子改変マウスをまとめて使用することにより、できるだけ効率的に実験を進めていく予定である。
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