2016 Fiscal Year Research-status Report
筋萎縮性側索硬化症運動神経細胞でのBTBD10発現低下と病態発症・進行との関連性
Project/Area Number |
15K08245
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
名和 幹朗 東京医科大学, 医学部, 講師 (10398620)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / BTBD10 |
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位・下位運動神経細胞が変性脱落する神経難病である。我々はこれまでに、ALS関連神経細胞死にAktリン酸化増強因子BTBD10が抑制的に働くこと、孤発性ALS患者の脊髄運動神経細胞においてBTBD10の発現量が低下していることを明らかにした。 本研究ではBTBD10の発現低下がALS関連神経細胞死や、症状進行の原因となるか検討する。具体的には、1)BTBD10トランスジェニックマウスの作成を行い、ALSモデルマウスと交配することでALS様症状が改善するか観察する。2)BTBD10ノックアウトマウスを作製しその表現型を解析する。 平成28年度はALSモデルマウス(A315T-TDP-43トランスジェニックマウス、G93A-SOD1トランスジェニックマウス)を交配し、産仔を得た。しかし、当施設では交配が進まなかったり、交配が可能であったとしても、仔の食殺、育児放棄により子育てが順調に進まず得られる産仔の数が少なかった。その為、表現型の解析を行うにあたって、統計的解析が可能な個体数の確保が出来なかった。現在は自然交配に加え人工授精による交配を行ない、子育てに関しても飼育条件の改善を行なっている。また、現在作製中のBTBD10ノックアウトマウスは全身性にCreリコンビナーゼを発現するマウスと交配し、目的エクソンを除去している段階である。さらに、当該年度はマウスを用いた実験系に加え、ALS関連SOD1変異体、BTBD10のトランスジェニック線虫を作製した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ALSモデルマウスとBTBD10トランスジェニックマウスの交配においては、平成28年度にマウスの交配方法と飼育環境の改善を行ない、平成29年度以降は実験動物の安定的な供給が見込め、解析も順調に行えると考えられる。また、BTBD10ノックアウトマウスは目的エクソンの除去の段階に入っており、平成29年度には表現型の解析を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は1)BTBD10ノックアウトマウスの表現型解析を行う、2)BTBD10/G93A-SOD1ダブルトランスジェニックマウスの表現型解析を行う、3)BTBD10/G93A-SOD1ダブルトランスジェニック線虫の表現型解析を行う。
|
Causes of Carryover |
平成28年度は、残高が足りなく処理出来なかったため、当該助成金が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、申請時に計上した予定通りに助成金使用をする予定である。
|
Research Products
(2 results)