2016 Fiscal Year Research-status Report
アレルギー性気管支喘息時の過敏性気管支平滑筋細胞におけるエピゲノム変化とその遺伝
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15K08248
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
千葉 義彦 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (00287848)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 気道過敏性 / 気管支平滑筋 / RhoA / microRNA (miRNA) |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、アレルギー性気管支喘息に焦点を当て、まず親世代 (P) 群の気管支平滑筋におけるエピゲノム変化について検討を行った。雄性BALB/cマウス (7週齢) を用い、ovalbumin抗原にて感作、追加感作および抗原反復吸入チャレンジを行うことにより気管支喘息モデルマウスを作製した。これら動物の気管支平滑筋組織よりゲノムDNA を抽出して断片化後、抗メチル化シトシン抗体にて免疫沈降を行い、得られたメチル化DNA 断片にアダプタ付加後PCR 増幅でライブラリを作製し次世代シークエンサーを用い解析を行った。その結果、93種類の遺伝子についてそのCpG islandのメチル化レベルの増加 (62遺伝子) あるいは減少 (31遺伝子) が予測された。しかしながらRhoA遺伝子についてはDNAメチル化の変動は認められず、転写レベルの変化はないというこれまでの結果の裏付けができたものと考える。一方、同組織より抽出したtotal RNAサンプルを用いてmiRNAs発現変動の網羅的解析を行ったところ、14の分子種について発現の増加 (2分子種) あるいは減少 (miR-133aを含む12分子種) が予測された。さらに、培養ヒト気管支平滑筋細胞へのIL-17A処置によりRhoAタンパク質発現増加およびmiR-133a発現低下が観察されたことから、これらエピジェネティック変化にアレルギー時に増加するTh17サイトカインが一部関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究実施計画の通り、ほぼ当初の計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度中に、これまでの各種網羅的解析の結果についてvalidationを行うとともに、そのエピジェネティック変化が次世代に継承されることを証明する。さらに、アレルギー疾患時の過敏性組織において発現変動する新規遺伝子の同定を試み、エピジェネティック変化に基づくメカニズム解明を試みる。
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Causes of Carryover |
研究計画に変更点はないが、一部の消耗品について、計画当初より安価に入手することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度研究計画で使用する消耗品のうち価格上昇が見込まれる消耗品もあるため、平成29年度分と合算してすべて使用する予定。
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