2015 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経における細胞内M1ムスカリン受容体の発現メカニズムと記憶・学習との関係
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15K08250
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
村松 郁延 金沢医科大学, 医学部, 客員教授 (10111965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 眞友 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80156041)
益岡 尚由 金沢医科大学, 医学部, 講師 (80509307)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ムスカリン受容体 / 細胞内分布 / アセチルコリン |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ムスカリン受容体(mAChR)は、代表的膜受容体である。しかし、我々はM1-mAChRサブタイプが中枢神経細胞では細胞内にも存在し、機能していることを発見した。そこで、何故M1サブタイプはアゴニスト刺激なしでも構成的に細胞内に存在するのか、N1E 115細胞を用いて検討した。mAChRのうち、構成的細胞内分布を示すのはM1サブタイプのみで、他のサブタイプ(M2‐M5)は細胞膜のみに局在した。しかし、M2‐M5サブタイプのC末をM1サブタイプのC末に置換すると、M2‐M5サブタイプも構成的に細胞内に分布するようになった。この結果は、M1サブタイプC末が細胞内分布に重要な役割を演じていることを示唆した。point mutationの研究から、M1サブタイプC末のトリプトファンを含むモチーフが細胞内分布に関与していることを明らかにした。抗体を用いて細胞膜のM1サブタイプを標識した後 細胞を37℃に戻すと、標識した膜のM1サブタイプはアゴニスト刺激なしでも急速に細胞内に移動し、細胞膜から消失した。この結果から、M1サブタイプの細胞内分布は、細胞膜と細胞内の平衡状態がインターナリゼーション側に優位に傾いている結果であると考えられた。さらに、M1サブタイプのインターナリゼーションは、dynamin、clathrinおよびadaptor protein 2に依存していることも明らかにした。
2.細胞内M1サブタイプが活性化されるためには、親水性AChは細胞膜を通過しなければならない。そこで、AChエステラーゼを阻害して[3H]AChの取り込みを調べたところ、ラット大脳皮質切片は温度依存性、濃度依存性に積極的にAChの取り込みを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
M1-mAChRサブタイプが細胞膜だけでなく細胞内にも分布するメカニズムを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
AChは、親水性のため、そのままでは細胞膜を通過しない。したがって、細胞内M1-mAChRサブタイプが刺激されるためには、AChは特異的に取り込まれなければならない。そこで、AChトランスポーターの存在を仮定し、同定を試みる。
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Causes of Carryover |
必要な試薬の納入が間に合わなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は、試薬代として使用する
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Activation of muscarinic cholinoceptor ameliorates tumor necrosis factor-α-induced barrier dysfunction in intestinal epithelial cells2015
Author(s)
Md Rafiqul Islam Khan, Junsuke Uwada, Takashi Yazawa, Md Tariqul Islam, Susanne M. Krug, Michael Fromm, Shin-ichiro Karaki, Yuichi Suzuki, Atsukazu Kuwahara, Hatsumi Yoshiki, Kiyonao Sada, Ikunobu Muramatsu, Abu Syed Md Anisuzzaman, Takanobu Taniguchi.
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Journal Title
FEBS Letters
Volume: 589
Pages: 3640-3547
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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