2017 Fiscal Year Annual Research Report
Mecanisms for the plasma membrane phospholipid asymmetry and its physiological and pathological roles
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15K08266
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
瀬川 勝盛 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 寄附研究部門准教授 (20542971)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞膜 / リン脂質 / フリッパーゼ / ホスファチジルセリン / 非対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞膜におけるリン脂質の非対称的な分布は、真核細胞で見られる普遍的な現象である。すなわち、ホスファチジルセリンなどのアミノ基を持つリン脂質は、細胞膜の内層に限局し、細胞膜の外層には分布しない。細胞膜の非対称性の分子機構は不明であり、細胞膜の物性における長年の大きな謎である。さらに、「なぜ全ての細胞は細胞膜を非対称にする必要があるのか」という点、すなわち、細胞膜の非対称性の生物学的意義も不明である。本研究では、哺乳類細胞における細胞膜の非対称性の分子機構とその生理的、病態的意義の解明を目的とする。本年度では、細胞膜の非対称分布に関与する分子、P4型ATPaseのベータサブユニットであるCDC50Aの組織特異的欠損マウスの樹立に成功した。種々のプロモーターの支配下でCreリコンビナーゼを発現するTgマウスと交配させ、解析を行いつつある。また、CDC50Aの機能解析を遺伝学的手法と生化学的手法を用いて行い、機能に必須なアミノ酸を同定することに成功した。具体的に、ヒトCDC50AのcDNA配列にerror-prone PCR法を用いてランダムに変異を導入し、変異体をCDC50A欠損細胞に安定発現させた。フローサイトメトリーを用いて、CDC50Aの機能、すなわち、細胞膜でのフリッパーゼ活性を回復させない変異体を回収後、次世代シークエンサーを用いて変異を解析した。その結果、CDC50Aの機能に必須の14アミノ酸を同定した。さらに、CDC50Aは260番目のトリプトファン残基を用いて、アルファサブユニットであるP4型ATPaseの酵素活性を制御することが示唆された。
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Research Products
(5 results)