2017 Fiscal Year Annual Research Report
Biochemical and functional analysis of PLAAT family members as lipid-metabolizing enzymes
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15K08278
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宇山 徹 香川大学, 医学部, 助教 (30457337)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | PLAATファミリー / cPLA2ε / N-アシルホスファチジルエタノールアミン / ホスファチジルセリン / 脂質代謝酵素 / N-アシルエタノールアミン |
Outline of Annual Research Achievements |
Phospholipase A/acyltransferase (PLAAT) ファミリーはグリセロリン脂質を基質とする脂質代謝酵素で、PLAAT-1-5の5分子が存在する。PLAATファミリーの機能解析を行う過程で、PLAAT-1やPLAAT-2がN-アシル-ホスファチジルエタノールアミン (N-アシル-PE) と呼ばれる特殊なリン脂質を合成するN-アシル転移酵素活性を示すことを以前に見出した。最近、既報の細胞質型ホスホリパーゼA2のε型 (cPLA2ε) がCa2+依存的にN-アシル転移酵素活性を示すとして報告された。しかしながら、その詳細な性状解析は行われておらず、PLAAT-1やPLAAT-2との機能的な違いは不明であった。そこで本研究では、cPLA2εの精製組換えタンパク質を用い、同酵素の性状および機能解析を行った。まず、既報のcPLA2εの解析はマウスで行われたので、ヒトのオーソログについてデータベースを検索したところ、ヒトでは2種類のアイソフォームが存在した。両アイソフォームの精製組換えタンパク質を用いた検討から、そのいずれもがマウス酵素と同様の活性を示すことが明らかになった。cPLA2εの一次構造には、Ca2+依存的なリン脂質への結合に関わるとされるC2ドメインがN末端側に存在する。種々のリン脂質による酵素活性への影響を検討したところ、Ca2+存在下でホスファチジルセリンによって強く活性化され、その効果は濃度依存的であった。以上の結果から、マウス及びヒトのCa-NATのN-アシル転移酵素活性は、細胞内でホスファチジルセリンの存在下でCa2+によって制御されることが示唆された。
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Research Products
(10 results)