2016 Fiscal Year Research-status Report
上皮間葉相互転換システムを利用した細胞極性の形成と消失の可逆的制御機構の解析
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15K08308
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
福田 信治 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 講師 (70398238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東山 繁樹 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳がん細胞 / リン酸化酵素阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
リボソームS6キナーゼ (RSK)ファミリーに属するリン酸化酵素は、細胞増殖、及びその異常によるがん化において、重要な役割を果たすことが知られている。ただし、RSKが作用する分子基盤の詳細は依然として不明である。申請者はこれまでにヒト不死化乳腺細胞株MCF10Aにおいて、同メンバーのRSK2を発現抑制すると、細胞の特性が間葉様から上皮様に変換することを見出している。本研究では、遺伝子改変技術であるCRISPR/Cas9システムを用いて、RSK2を可視化できる乳腺細胞株を樹立し、RSK2の機能解析を行うことを目的とした。 当初、Vanderbilt大学の所属研究室にて樹立されたMCF10Aを用いて、RSK2遺伝子座に緑色蛍光タンパク質super folder GFP遺伝子を挿入する実験を行なっていた。しかし、MCF10Aの遺伝子導入効率が低いため、樹立することができなかった。そこで、遺伝子導入効率が高いMCF7へ細胞株を変更し、核移行シグナルを複数持つCas9を発現するレンチウイルスの構築も行なった。その結果、RSK2-GFP融合タンパク質を発現するMCF7の樹立に成功した。今後は共焦点顕微鏡によるライブイメージングを行い、増殖因子刺激後のRSK2の挙動を解析する予定である。合わせて、免疫沈降産物の質量分析によって、RSK2と相互作用する因子のスクリーニングを行い、細胞増殖制御の分子機構を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞株の樹立のために予想以上の時間を費やしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
共焦点顕微鏡によるライブイメージングにより、増殖因子刺激後のRSK2の細胞内局在の解析を行う。またGFP抗体による免疫沈降を行い、共免疫沈降される因子の質量分析を行い、RSK2と相互作用する因子を同定する。
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Causes of Carryover |
当初の計画で購入予定にしていた抗体などの試薬について、多くを共同研究先負担で購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の計画で新たに必要となる試薬の購入に充てる。
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