2018 Fiscal Year Annual Research Report
Protective roles of BLT2 receptor in epithelial barrier function
Project/Area Number |
15K08316
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐伯 和子 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00553273)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 上皮細胞 / 細胞死 / 毒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
BLT2は上皮細胞および血管内皮細胞に発現するGタンパク質共役型受容体である。これまでに、肺炎球菌の産生する毒素性タンパク質Pneumolysin(PLY)の気道内投与により、BLT2欠損マウスのほとんどが死亡することを見いだしている。PLY投与による主な死因はシステニルロイコトリエン類(CysLTs)の産生上昇による気管支収縮と血管内皮透過性の亢進による肺水腫であると考えられるが、CysLT受容体拮抗薬の前投与によっても3割程度の個体はレスキューできずに死に至る。このことから、BLT2欠損マウスのPLY投与による個体死は、気管支収縮や血管内皮透過性の亢進以外の経路によっても引き起こされていると考えられた。BLT2は肺胞上皮細胞においても発現が高いことから、PLY投与による肺胞上皮細胞の障害にBLT2が保護的に作用する可能性を考えた。そこで、肺胞上皮細胞株A549細胞にBLT2を過剰発現させ、LDHの放出・WST細胞障害性アッセイ・DAPIによる核染色・細胞の形態変化を指標に、様々な角度からPLYの細胞障害活性を調べたところ、BLT2過剰発現細胞はMOCK細胞と比較してPLYに耐性を示すことを見いだした。また、内因性BLT2の役割を確認する目的で、野性型およびBLT2欠損マウスより採取した初代培養上皮細胞を用いて同様の実験を行ったところ、BLT2の欠損がPLYによる細胞障害を著しく上昇させることを明らかにした。また、走査型電子顕微鏡により細胞膜の形態を比較したところ、BLT2を欠損するとPLYによる細胞膜の障害が、添加後すぐ(数分から数十分)に引き起こされる様子が観察された。 H27-30年度の4年間で行ってきた生理活性脂質12-HHTの上皮バリア機能における役割についての研究結果は、H30年に京都で開催された、第91回日本生化学会のシンポジウムで発表した。
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Research Products
(13 results)