2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of responsible genes in early-onset colorectal cancer
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15K08335
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
赤木 究 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 科長(兼)部長 (30244114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 美穂 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 腫瘍診断・予防科, 研究員 (60347359)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | DKC1 / 若年性大腸癌 / パネル検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の延長を行い、DKC1遺伝子変異を原因とする非常に稀な症例について論文化を行い公表した。今後は主治医の診療機関と連携し、先天角化異常症の典型例から異なる点について詳細な解析を行う予定である。若年大腸癌の症例では、これまで原因が明らかでなかった1症例について、レトロトランスポゾンの挿入変異が存在する事が明らかとなった。この挿入変異は数kbと長い為、一般的なペアのプライマーを用いたPCRによるターゲットエンリッチメントでは検出されにくく、昨年度の研究から必要性が示唆され導入へと至った、片側プライマーを用いたAnchored PCRによるターゲットエンリッチメント法により検出可能となった。さらにこの症例の経験から、多施設共同研究として解析している症例に同様の挿入変異が検出された。通常の遺伝学的検査では検出困難な症例について、原因遺伝子を確定できたことは、遺伝性腫瘍症候群の患者に対する適切な診断とサーベイランスの提供に大きく貢献できたと考えられる。また、cDNAからCDSの全長をPCR、シーケンスを行う事により、mRNAの変化を解析する手法から、解析の困難なPMS2遺伝子の解析が進展し、稀な変化を捉えられるようになった。これらのレトロトランスポゾン挿入変異と、PMS2遺伝子の変化については現在論文化を行っている。本研究成果によって、稀な遺伝子だけでなく、既知の遺伝子に起こる稀な変化についても詳細に解析できるフローが構築され、今後の研究の基盤となる技術となった。
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