2016 Fiscal Year Research-status Report
新規転写抑制因子標的遺伝子群から見た非浸潤性乳癌進行の分子病理学的機構
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15K08358
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
笠井 謙次 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (70242857)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳癌 / DCIS / 転写抑制因子 / 標的遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
TSHZ1、TSHZ2及びTSHZ3を各々特異的に発現低下させるため、siRNAオリゴを複数作製した。これらsiRNAを単独あるいは同時に不死化ヒト正常乳管上皮細胞HMEC4htertshp16に導入し、single・double・triple knockdown実験を行い、qRT-PCRにて結果を検証した。その結果、TSHZ1-3の三種をそれぞれ特異的に発現低下させ得るsiRNAオリゴを同定した。 またTSHZ2結合領域を検討するため、ホルマリン固定にて使用可能な抗TSHZ2抗体の選別とホルマリン固定HMEC4htertshp16ゲノムDNAの断片化条件検証などChIP sequence法実施に向けての条件設定を行った。 一方MCF7においてTSHZ2により発現低下する1,114個の遺伝子群をNCBI登録済みのpublic database(GSE21422など)と比較した。その結果TSHZ2発現は予想どうり、正常乳腺>DCIS>浸潤癌 と低下しているのに対し、TSHZ2/MCF7Fにて発現低下する1,114遺伝子のうちのFAM83D、DONSONなどは、正常乳腺<DCIS<浸潤癌 と亢進していた。そこで、これらFAM83DやDONSONなど細胞増殖あるいは細胞分裂に関わるとされている遺伝子が、正常乳腺からDCIS、浸潤癌へと進展する過程でTSHZ2発現低下と逆相関しているか、免疫組織化学的に検討すべく準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TSHZ1-3の三種を各々特異的に発現低下させ得るsiRNAオリゴの同定に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
TSHZ1-3のsingle・double・triple knockdownにより、各々が支配する遺伝子群を網羅的発現解析にて比較検討するとともに、TSHZ2結合領域の同定のためChIP sequenceによる解析を行う。加えて、MCF7細胞でTSHZ2により発現低下する遺伝子群のうちpublic databaseでDCISと浸潤癌とで発現に差がある可能性が示唆されたFAM83Dなどの遺伝子については上記の分子生物学的解析結果を待たずして別途免疫組織化学的解析を開始する予定である。
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Causes of Carryover |
TSHZ1-3を各々特異的に発現低下させるsiRNAオリゴ作成に時間を要したことにより、当初実施予定であった網羅的遺伝子発現解析を行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
TSHZ1-3特異的siRNAオリゴを同定し終えたので、single・double・triple knockdownによる網羅的遺伝子発現解析を実施する予定である。
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