2015 Fiscal Year Annual Research Report
リツキシマブ細胞傷害におけるLR11の分子機構の解明
Project/Area Number |
15K08366
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
東 守洋 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (00323395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田丸 淳一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30188429)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 悪性リンパ腫 / びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 / LR11 / リツキシマブ / 補体依存性細胞傷害 |
Outline of Annual Research Achievements |
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(Diffuse large B-cell lymphoma; DLBCL)は胚中心B細胞型(Germinal center B-cell type; GCB type), 活性型B細胞型(Activated B-cell type; ABC type)に大別され、その腫瘍起源を反映していると考えられている。GCB typeはABC typeに比べてCHOP療法下で予後が良い。現在の標準治療であるリツキシマブ(R)併用CHOP療法下では主にABC typeの予後が改善されてきた。一方、GCB typeではR導入後もその予後の改善はみられていない。その結果、両者の予後に差が見出されなくなってきている。R療法導入により予後が改善したとはいえ、依然3割程度の症例が治療抵抗性であり、新たな治療法開発が必要と考えられる。 LR11はLDLレセプターとして同定されたI型膜貫通分子であるが、DLBCLにおける発現、機能は不明な点が多い。本研究でDLBCLの約半数、特にGCB typeにおいて発現が見られることを見出し、LR11発現症例ではその古典的化学療法であるCHOP療法下でのOSが高かったが、R-CHOP療法下ではその予後に差を見いだせなかった。 さらにin vitroでの研究において、LR11, CD20, 補体のC3がlipid raft上でタンパク複合体をつくること、LR11発現を抑制したところ、Rによる補体依存性細胞障害(Complement dependent cytotoxity; CDC)が増強していることを見出した 。 このことはLR11がRによるCDCを負に制御している可能性を示唆している。 本研究はこれらサブグループ分類の分子レベルでの生物学的意義の一端を明らかにし、さらにDLBCLの治療法を進展させうる研究であると考えられる。
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[Journal Article] Serum soluble LR11, a novel tumor derived biomarker associated with the outcome of patients with diffuse large B-cell lymphoma.2015
Author(s)
Ohwada C, Yamazaki A, Kawaguchi T, Sugita Y, Takeuchi M, Shimizu N, Sakaida E, Takeda Y, Tsukamoto S, Muto T, Jiang M, Higashi M, Yokote K, Tamaru J, Bujo H, Nakaseko C.
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Journal Title
Leuk Lymphoma
Volume: 56
Pages: 2982-5
DOI
Peer Reviewed
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