2017 Fiscal Year Annual Research Report
MOLECULAR PATHOLOGY ON FOLLICULIN GENE ABNORMALITIES AND TUMORIGENESIS OF VARIOUS ORGANS
Project/Area Number |
15K08374
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中谷 行雄 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20137037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 充子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10361445)
矢澤 卓也 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50251054)
太田 聡 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (90324342)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バート・ホッグ・デュベ症候群 / フォリキュリン / 肺嚢胞 / 腎腫瘍 / 肺腫瘍 / 甲状腺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
BHD症候群について、遺伝学的検査で確定した発端者185名、BHD症候群関連疾患の既往がある血縁者含めて計477名の遺伝学的、疫学的、臨床病理学的解析を行った。FLCN変異は45の異なるパタ-ンからなり、最も多い変異はexon 11のpolyC 領域におけるcytosine挿入であった。その他にもダイレクトシークエンスでは同定できないexon単位で欠失する極めて希少な変異パターンの家系が次世代シーケンサーによる解析で3件同定され、暫定的に陰性とした患者3名が新規に登録された。腎がん発症率は40歳以上では35%と高率だが、腎がん以外の悪性腫瘍として、肺がん、大腸がん、甲状腺がんが3%前後に認められた。肺腫瘍はすべて腺癌を主体とし異型腺腫様過形成や微小結節性肺胞上皮過形成様病変も含む腺系腫瘍で、腺癌と微小結節性肺胞上皮過形成様病変6検体中5検体においてはFLCN LOHパターンが認められた。浸潤癌はEGFR, KRAS変異も認めた。FLCN LOHが肺腺癌の母地としての前駆病変発生に関与している可能性も否定できないと考えられた。また、甲状腺癌と耳下腺腺腫を1例づつ認めたが、いずれも嫌色素性腎癌と形態学的類似性を有するoncocyticな胞体を有し、FLCN LOHを伴っていたことから、これら腫瘍の発生にFLCN遺伝子異常が関与している可能性が示唆された。 BHD肺嚢胞の鑑別としてはリンパ脈管筋腫症と特発性ブラに加え、シェーグレン症候群、慢性過敏性肺臓炎様病変に伴う炎症性嚢胞、子宮内膜間質性肉腫転移など、さまざまな疾患が数例ずつ集積された。BHD肺嚢胞(N = 57)と、特発性ブラ(N = 25) を病理組織学的に比較検討した。BHD肺嚢胞では小葉間隔壁と気管支血管束間質の関与、複合型肺胞様構造形成を高率に認め、内腔面の肺胞上皮被覆と共に、特発性ブラとの鑑別に有用と考えられた。
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Research Products
(9 results)