2017 Fiscal Year Annual Research Report
Imaging of tissue aging by scanning acoustic microscopy
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15K08375
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三浦 克敏 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20173974)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超音波顕微鏡 / 線維化 / 蛋白分解 / ペプシン / 老化 / 糖尿病 / 創傷治癒 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年のヨーロッパ病理学会、日本抗加齢医学会では以下の発表をおこなった。加齢に伴って大動脈、腎動脈とも非動脈硬化部の音速(SOS)は低下がみられた。低下部にはLOX の発現亢進があり、蛋白分解処理に抵抗性を示した。アテローム性動脈硬化部は平滑筋が消失し、膠原繊維が増えることでSOSの数値が高かった。線維間を架橋する物質が増え、蛋白分解処理に抵抗性を示した。大動脈解離、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁腱索の断裂部は周囲の正常部と比べ、SOSの低下があり、蛋白分解処理を受けやすかった。SAMは線維化や線維の粗鬆化を客観的に数値で評価ができることがわかった。 2017年日本病理学会ではホルマリン固定パラフィン包埋された皮膚切片にペプシン消化を行い、経時的に音速(SOS)の変化を追跡した。高齢者と若年者、糖尿病と非糖尿病、慢性の創傷と急性の創傷を比較した。音速像の解像度は光学顕微鏡画像に匹敵し、ペプシン消化後に特徴的な音速像の変化を見せた。皮膚については高齢者の真皮は若年者よりもSOSが低く、高齢者の皮膚はゆるく、柔らかであることを示唆した。一方表皮はSOSが高く、ペプシン消化で急速に低下した。糖尿病患者の真皮網状層は非糖尿病患者に比べ、ペプシン消化に抵抗性を示した。慢性の創傷部は急性に比べて、高いSOSを示し、ペプシン消化抵抗性であった。以上から、皮膚の老化、糖尿病状態、線維化によるSOSの変動は老化や疾患の状態による機械的変化をよく反映しているといえた。
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Research Products
(5 results)