2017 Fiscal Year Research-status Report
膵癌先駆病変の悪性度と細胞分化,形態変化の網羅的解析―臨床診断への応用に向けて
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15K08384
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
永田 耕治 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80398289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 道生 埼玉医科大学, 医学部, 名誉教授 (60226256)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膵癌 / IPMN / PanIN / ムチン |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌はその大部分が,膵管癌であり,その発生母地としてはその前癌病変を想定した異型上皮とされるPanINがあり,通常型の浸潤癌へと進展していくと考えられている.また,IPMNから発生する癌は,PanINから発生する癌に比べると頻度は低いが,その組織像としては大きく2種類が存在し,一つはintestinal typeのIPMNから発生する粘液癌で,もう一つはgastric typeのIPMNから発生する通常型 膵管癌である. 今回の研究は,特に膵癌の前癌病変や初期病変(小膵癌)を念頭において,IPMNとPanIN病変について,形態学的な所見と最近のトピックスといえる分子標的治療に大きく関わる癌の増殖,浸潤といった標的分子に着目し,癌細胞自身に発現される細胞増殖やそのレセプター,シグナル伝達分子,さらに代謝の変化などと共に,間質の血管走行の変化など,病変を直視してみられる形態変化などの検討を行う.これまでに,gastric type IPMNとintestinal type IPMNの相互関係と悪性化,ncocytic type IPMNやpancreatobiliary type,gastric type IPMN,PanINと悪性化に伴う形態変化ついての検討を行ったが,浸潤・進行癌を合併した症例において,前癌病変と浸潤・進行癌とで異った形質,蛋白発現を示す症例がみられ,これらの症例について臨床病理学的検討を行っている. 今後,これらの結果を踏まえて,病理組織学的診断基準の精度向上と,膵管鏡による悪性度診断の精度向上を追求し手術適応の有無の精度向上,最終的には膵癌の分子標的治療への可能性を検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
これまで検討し,集積してきたIPMN症例(90症例)と膵癌症例(100例)のうちIPMN由来と考えられる標本の免疫染色(間質の血管密 度や走行の変化,上皮細胞の変化と間質の変化,細胞増殖マーカー,EMT関連のマーカー,さらに血管新生マーカー, 接着マーカー) の評価方法の検討,さらに膵癌で指標となっているKRAS2,TP/p53,CDKN2A/p16,COX-2,SMAD4/DPC4などの評価が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度退職した実験助手の補充がなされ,標本の免疫染色(間質の血管密度や走行の変化,上皮細胞の変化と間質の変化,細胞増殖マーカー,EMT関連のマーカー,さらに血管 新生マーカー, 接着マーカー)の実施や評価等に関して,バーチャルスライドによる評価の個別至適値の検討,データのとりまとめを行う.
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Causes of Carryover |
(理由) 研究中に追加検討が必要になった免疫組織化学的検討に必要な抗体が国内にないため,海外から取り寄せるのに時間が必要であったことや,研究成果の発表と論文化がなされていないため,そのために計上していた予算が未消化となっている. (使用計画) 本年度は,追加検討が必要になった試料の免疫組織化学的な検討と,研究成果の発表のため,使用する予定である.
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