2017 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of mitochondrial function and development of antitumor tools based on p14 MIS peptide
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15K08415
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齋藤 憲 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70426584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 英作 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30252951)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ペプチド / ミトコンドリア / 抗腫瘍効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がんにおいて機能未知であるミトコンドリア局在型p14ARFの存在に着目し、ペプチドの長所である生体低侵襲性を最大限に生かし、かつp14機能の損なわれている多様な生物学的高度悪性腫瘍の増殖抑制を可能とする抗腫瘍性ミトコンドリア機能型p14ペプチドの新規開発と制がんのための基盤的応用法を構築することを目標として実施した。 研究成果として、がん細胞増殖抑制効果を最大限に引き出すp14ペプチド配列の絞り込みを行い、これまで報告したp143865ペプチド(IC50=7~8uM)の細胞増殖抑制効果を上回るp14MISペプチド(IC50=4uM)を見出し、これまでよりも低濃度でがんを殺傷できる可能性を明らかにした。またp14MISペプチドの抗腫瘍効果は、がん細胞のp14ARF機能欠損だけでなくミトコンドリア環境に依存することも判明し、このことは同時にがんの特性を明らかにする新たな手がかりなると期待できる。具体的には、発生母地の異なるヒト悪性腫瘍についてミトコンドリア膜電位が異なり、このことがp14MISの感受性を左右することを明らかにした。また、膵がん細胞を移植した担癌モデルマウスにおいてもp14MIS投与によりがんの縮小効果を認めた。さらにp14MISのミトコンドリア標的分子を明らかにしており、各種がんにより標的分子の発現が異なることが判明し、p14MISによる標的分子の活性阻害・機序ついて現在解析中である。 また今後、p14MISのがん組織選択的デリバリーについては、がん細胞選択的透過ペプチド(THP)とp14MISペプチドを連結させたTHP-p14MISペプチドの開発を進め、安全性と効率性・安定性の高いペプチドの最適化を行う。
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