2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K08437
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
神谷 宣広 天理大学, 体育学部, 教授 (50735876)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 骨壊死 / インターロイキン6 / 骨吸収 / 骨形成 / ブタ / ネズミ / ヒト / モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
ペルテス病(小児大腿骨頭壊死症)は大腿骨頭の変形・圧潰により歩行・起立困難となる難治性疾患(男児:1/740、女児:1/3500出生)である。ペルテス病の病態生理メカニズムは全く不明でこのため治療は遅れている。このことから、ペルテス病の病態メカニズム研究が急務であるが、しかしながら、我が国における当疾患の研究は皆無である。この問題を解決するため、申請者は2009年よりペルテス病研究に着手し、ヒト-動物-細胞の双方向的研究を行っている。これまでペルテス病の病態に関する分子学的解析の報告はないが、私たちの研究グループはブタ大腿骨壊死モデルにおいて関節液の貯留とインターロイキン6(IL6)濃度の上昇を確認した。また、私たちが開発したネズミ大腿骨壊死モデルにおいても同様にIL6濃度の上昇を確認した。さらに、ペルテス病患者から同意書を得たのち採取した股関節中関節液中においても同様にIL6濃度は健常群と比べ優位に増加していた。以上より、これらペルテス病動物モデル(ブタ、ネズミ)や患者検体(ヒト)において、一貫してIL6濃度の上昇を確認したことから、IL6の異常上昇がペルテス病の病態メカニズムに大きく関与していることを考えている。実際、IL6はその役割として、骨吸収を促進し、骨形成を抑制することが報告されており、この作用(骨吸収促進、骨形成抑制)はペルテス病の病態として観察される経過と全く一致している。IL6濃度の上昇が起きる原因、さらには、IL6作用(骨吸収促進、骨形成抑制)の詳細について、さらに詳細な研究を継続している。特にDAMPs (Damage-associated molecular pattern molecules)がIL6上昇に寄与している可能性について検討を重ねてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね申請時の予想通り進んでいる。研究結果も仮説を逸脱していない。しかしながら、病態メカニズムの解明に関して今後時間がかかると思われる。特にDAMPs (Damage-associated molecular pattern molecules)に関連する炎症メカニズムの解析は複雑であり今後さらに時間を要する見込みである。共同研究者施設を訪れ実験を効率良く進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も「研究実施計画」に従い、ペルテス病の病態メカニズム研究を遂行する。共同研究者から供与される動物モデル検体(ブタ、ネズミ)ならびにヒト検体を用いて、IL6上昇を引き起こす原因を探る。炎症性サイトカインの上流としてDAMPsを検討、同定し、細胞研究においてIL6上昇の再現性を確認予定である。さらに、共同研究者施設を訪れ実験をさらに推進する工夫を検討したい。
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Causes of Carryover |
物価の上昇に伴い試薬や旅費の価格が当初より高騰している傾向がある。そのため、最終年度の研究を円滑に遂行するため、次年度に繰り越しを計画した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
その他、研究計画・予算用途などの大きな変更はない見込みである。共同研究者施設訪問を検討し研究を効率的に行うことも検討している。
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Research Products
(6 results)