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2016 Fiscal Year Research-status Report

赤芽球感染をめぐる宿主マラリア原虫相互関係の解明

Research Project

Project/Area Number 15K08441
Research InstitutionGunma University

Principal Investigator

久枝 一  群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50243689)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsマラリア / CD8T細胞 / 赤芽球 / フォスファチジルセリン / マクロファージ
Outline of Annual Research Achievements

マラリアは今もなお全世界で猛威を奮う感染症であり、対策としてワクチン開発が望まれるが、防御免疫の理解が不十分なこともあり、ワクチン開発は困難を極めている。本研究ではマウスのマラリアモデルを用いて申請者らが見いだした「CD8T細胞の赤内型マラリアに対する防御」と「マラリア原虫の赤芽球感染」を基に、感染赤芽球に対する防御メカニズムを明確にすることを目的とする。
CD8T細胞を除去したマウス、FasLを欠損するマウスの両者で感染した赤芽球が増加すること、増加していた感染赤芽球にはFasが発現していたことから、CD8T細胞はFas-FasL依存的細胞傷害活性を介して赤芽球を排除していることが明らかとなった。CD8T細胞が作用した感染赤芽球がアポトーシスを起こしているのかを検討したところ、早期アポトーシス細胞に特徴的な細胞膜外葉へのフォスファチジルセリンの反転が認められた。
一方で、細胞膜上のフォスファチジルセリンはアポトーシス細胞の目印として貪食細胞の標的となる。また、マラリア原虫が感染した赤血球はマクロファージに取り込まれて処理されることが知られている。そこで、感染赤芽球もフォスファチジルセリン特異的にマクロファージに貪食されるかを検討した。正常マウスとFasL欠損マウスから精製した感染赤芽球を試験管内でマクロファージと培養したところ、正常マウスの感染赤芽球はマクロファージによく貪食されていたが、フォスファチジルセリンを表出しないFasL欠損マウスの感染赤芽球は貪食されにくかった。マウスにマクロファージを除去するクロドロネートリポソームを投与すると、マラリアに対する抵抗性が激減した。以上のことから、CD8T細胞は感染赤芽球にFasLを作用させ、フォスファチジルセリンを表出させマクロファージに貪食させやすくすることで、感染抵抗性に貢献していることが明らかとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究協力者の今井孝助教の海外留学もあり、多少の遅れはあるがほぼ予定通り遂行できた。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定通り、マウスモデルを用いて進めていく予定である。これまでの成果でCD8T細胞の赤内型マラリアに対する防御的役割が明確になったので、その予防への応用の可能性を追及したい。具体的にはCD8T細胞を活性化するワクチンを投与し、赤内型感染に対する予防効果の検討を行う。
さらには、ヒトにおけるCD8T細胞の赤内型マラリアの関与について、ウガンダで採取したマラリア患者の血液を用いて検討する。これまでに多くの血液サンプルを採取したが、血漿中の各種タンパク質を網羅的に解析し、マラリア患者でのCD8T細胞に関連のあるタンパク質の動態を把握する。

Causes of Carryover

予定していた研究を終わらせることができたこと、研究代表者が多忙であること、研究協力者の今井孝助教の海外留学など、総合的に判断し、次年度以降の実施を決定した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

当初の計画にある実験動物の購入等に加え、ヒトサンプルの解析に必要な試薬類の購入に使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Int'l Joint Research (1 results)

  • [Int'l Joint Research] グル大学/ラチョー病院(ウガンダ)

    • Country Name
      UGANDA
    • Counterpart Institution
      グル大学/ラチョー病院

URL: 

Published: 2018-01-16  

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