2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms of erythrocyte invasion by malaria parasites
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15K08448
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
矢幡 一英 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (40467965)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マラリア / 赤血球侵入 |
Outline of Annual Research Achievements |
マラリア原虫は宿主体内で赤血球への再侵入を繰り返すことで増殖する。マラリア原虫は赤血球にRONと呼ばれる原虫分子群を挿入し、原虫表面に発現するAMA1との間で形成される複合体により原虫膜と赤血球膜を架橋することで、赤血球内に侵入する。本複合体の形成を阻害すると侵入が阻害されるため、申請者は本複合体形成の過程を詳細に解析することで、原虫の侵入・増殖を阻害する新たな切り口を見出すことができると考えた。本研究では、マラリア原虫において必須遺伝子であるためノックアウト出来ない本複合体構成分子をコンディショナルにノックアウトし、赤血球侵入前後での各分子の経時的局在変化と複合体形成の有無等を検討することで、AMA1-RON複合体を構成する各分子の機能を明らかにすることを目的とする。本年度は以下について研究結果を得た。 ①AMA1ノックアウト熱帯熱マラリア原虫により、AMA1は赤内期において赤血球侵入前に起こる赤血球変形に関与しないが、その後の赤血球侵入時に関与することを明らかにした。細胞外領域のみのAMA1を発現する原虫で赤血球の棘状化を示したことから、AMA1の細胞外領域はRON複合体を形成し、赤血球と密着接合を形成すること、またその後の赤血球への侵入が行なわれなかったことから、AMA1は細胞内領域が原虫のアクトマイシン複合体とリンクしている可能性を示唆した。 ②蚊のステージでのAMA1ノックアウト熱帯熱マラリア原虫により、AMA1は生殖体形成には関与しないが、その後中腸にて形成されるオーシストが形成されないことを示した。
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Research Products
(8 results)