2016 Fiscal Year Research-status Report
「格子状の局在」と内膜複合体分子から解析するマラリア原虫生殖母体の細胞骨格
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15K08450
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
竹尾 暁 杏林大学, 医学部, 准教授 (40302666)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | マラリア / 生殖母体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、無性生殖期マラリア原虫の宿主細胞侵入の機構と考えられてきた内膜複合体(Innner Membrane Complex:IMC)の関連分子が、原虫の有性生殖期生殖母体にも発現して、虫体周縁に格子状に局在するとの報告を踏まえて、申請者がIMCとは独立に見出した生殖母体の格子状分子、さらに、マラリア原虫IMC関連分子とされるものの生殖母体では未報告(未解析)の分子も併せて解析の起点とし、原虫生殖母体細胞の骨格形成やその変化に関与する分子群を同定することである。 以下のA,B,Cの解析を計画した。A.「格子状に局在」する複数の分子と相互作用する分子(群)は何か? B.生殖母体では未報告(未解析)のIMC関連タンパク質は、実際に生殖母体細胞で発現するか? Yesならば、局在や相互作用分子(群)は? C. A/Bの分子やそれらの相互作用分子を欠くと、表現形質や相互作用分子(群)はどう変化するか? 平成28年度は、A/B双方に関連して、前年度に引き続き、熱帯熱マラリア原虫をin vitro培養し、生殖母体期の割合を高めて原虫細胞を回収、抗原試料の調製と備蓄を進めた。またAについては「格子状に局在」する複数分子の組換えタンパク質合成用プラスミドコンストラクトの調製を終了した。組換えタンパク質合成に着手し、続く実験に供するべく合成タンパク質の量および質の改善(合成条件の検討)を進めた。また、Bについては、学界の報告とマラリア原虫配列/発現情報データベースの最新の状況を踏まえて選定した10種以上の解析タンパク質分子について、これらタンパク質の合成用プラスミドコンストラクトの調製を、前年度に引き続いて進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
A/B双方について、プラスミドコンストラクトの調製に想定以上の時間を要し、組換えタンパク質合成が、想定ほど進まなかった。そのため、組換えタンパク質を用いる動物抗血清の作製、および相互作用分子群の探索が翌H29年度となった。
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Strategy for Future Research Activity |
マンパワーの実況を考慮し、組換えタンパク質や動物抗血清の作製は、外注を含めて効率よく進める。
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Causes of Carryover |
組換えタンパク質合成の未達ぶんと、動物抗血清の作製、および相互作用分子群の探索がH29年度となったため、これらに要すると見込んだ費用が未支出となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
外部委託を含む組換えタンパク質合成、動物抗血清の作製、相互作用分子群の探索費用として、H29年度に充当する。
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