2017 Fiscal Year Research-status Report
トリパノソーマにおけるCa2+シグナリングの分子基盤の解明と創薬への応用
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15K08452
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 宗明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (30407308)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | トリパノソーマ / 細胞内Ca2+濃度 / 生体イメージング / 薬剤スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
寄生原虫Trypanosoma cruziを病原体とするシャーガス病に対する現行の治療薬は、効果や副作用の点で実用的でなく、新規治療薬開発が急務である。本研究は、申請者らの独自研究を発展させ、T. cruziの分裂増殖・変態・細胞侵入などを制御するCa2+チャネル(TcIP3R)を介するCa2+シグナリングを標的とした治療薬開発のための基盤研究を行う。平成29年度は、申請者らが開発した細胞内Ca2+濃度をモニタリング可能な生体イメージングシステムを用いた薬剤スクリーニングを行った。具体的には、Ca2+濃度依存的に蛍光を発するタンパク質(R-GECO1)を高発現する原虫(昆虫型)に、TcIP3R mRNAに対するモルフォリノアンチセンスオリゴを作用させ、そのCa2+シグナリングの阻害効果を検討した。今後、その他の生活史の原虫(昆虫型、細胞内型)に対しても阻害効果の調べると共に、さらに有効な次世代アンチセンスオリゴ開発も行う予定である。一方、TcIP3Rの結晶構造を明らかににし、その構造から、TcIP3Rを阻害するような化合物を作製する試みも続けている。大腸菌および真核細胞系を用いたTcIP3RおよびそのIP3結合領域と推測されるドメインについて、発現系の構築を試みたが、TcIP3Rは非常に不安定(Short-lived)なタンパク質であることがあることが明らかになっている。そこで、TcIP3Rを原虫にpTREXプラスミドベクターを用いて高発現させ、そこからTcIP3RまたはIP3結合ドメインの精製を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各専門家とも研究連携がうまくいっており、おおむね順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調に研究は進展しているので、引き続き計画通り、研究を進める。
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Causes of Carryover |
(理由)当初の研究計画よりも条件検討の実験が少なくてすんだため。 (使用計画)研究計画を前倒しして、使用する。
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Research Products
(4 results)